第一印象で心を奪われた。西暦30年建設の閉会式会場、ベローナ五輪アリーナ。ミラノ中央駅から約1時間15分の移動だった。も…

第一印象で心を奪われた。西暦30年建設の閉会式会場、ベローナ五輪アリーナ。ミラノ中央駅から約1時間15分の移動だった。

もの静かな日曜のベローナの街を歩き、見えた世界遺産はローマ時代の円形闘技場という。たたずまいから、うっとりとした。歴史に詳しくなくても重みを感じる。

客席は石造りだった。客席というより「石造りの段差を運営側が席に指定した」という方が正しそう。前から人が来ると、1段上がらないとすれ違えない。その足元も全て席。席の上を人を交わしながら歩いていく不思議な感覚になる。くねくねと上り下りしながら、メディア席を目指した。

会場ではクッションが配られた。それを敷いて座るのだが、石の影響で尻が痛い。式中の国歌斉唱で立ち上がるたびに、痛みをほぐした。担当しているラグビーは、イタリア代表が叫ぶように国歌を歌うのがテストマッチの名シーン。そんな歌も、世界遺産の閉会式では落ち着いた曲調になる。これもまた味があった。

日刊スポーツ取材班も無事に閉会式まで駆け抜けた。「イタリアの風」もこれが最後。現地最終日の夜、ようやく全員でイタリア料理を囲めそうだ。風を感じながら、充実の五輪取材を振り返りたい。【松本航】