1969、78年度と計2度の大学日本一に輝いた歴史を持つ日体大ラグビー部は、2014年度は加盟する関東大学対抗戦で2部相当のBに降格。1シーズンで同Aに復帰後も、大学選手権進出を果たせずにいる。

 名門復活への期待がかかるなか、徐々に存在感を高めているのがインサイドCTBの石田大河だ。熊本・九州学院高出身の2年で、今季主将でSOの石田一貴の弟にあたる。

 今季参戦中の対抗戦Aでは、ここまで1勝5敗。11月25日に成蹊大とおこなう最終戦(東京・江戸川陸上競技場)に勝てば、下部との入替戦(8チーム中下から2チームが出場)からの脱出に大きく前進できる。シーズン中に「去年よりもチームはまとまっている。一つでも多く勝てるようにしていきたい」と話していた背番号12は、兄とともに戦える最後の季節を駆け抜ける。

 ランを長所とする。兄のパスへ鋭く駆け込み、スペースを裂く。日体大に入った理由は、兄とともにプレーするためだった。高校時代も一緒だった石田一貴と一緒に戦うことで、自分の幅を広げたかった。

「兄は自分にないものを持っている。自分は自分のスキルで行く(局面を打破する)んですが、兄は周りを使って行く。キャプテンシー、リーダースキルがある。それにチームがついてきている」

 現役選手の話を総合すると、現代の日体大では主将の資質がそのシーズンの成否を大きく左右するようだ。今季主将の石田一貴は、今年2月1日から3月15日までオーストラリアへ留学。ブランビーズの下部組織で揉まれ帰国すると、現地での練習メニューを自軍に落とし込んでいる。部内での満足度は低くない。

 弟の石田大河はそれに先立ち、現地にいた兄へアプローチしていた。個人でできるメニューを動画で送ってもらい、取り組んでいた。

「体幹トレーニングのメニュー、胸の奥から飛ばすパンチパスの練習とかを…。体幹のメニューはそれまで自分がやっていたものよりもきつさがありました。ただ、兄がやっていることなのだから、やらないと追いつかないな、と。差をつけられたくなくて」

 その甲斐あってか、今季は体重を77キロから84キロに増やした(身長177センチ)。「春にだいぶ、身体を作って、アタックでは1対1で勝負できる感じになってきた。自分からディフェンスを突破して、トライにつなげていければいい」という言葉通り、上位陣とのゲームでも持ち味を発揮する。

 そもそもルーキーイヤーから出場機会を得るなか、自己肯定感を強めている。

「高校の頃はやらされている感じがありましたけど、大学に入って、1年の時に(より高いレベルでも)通用すると感じ始めて…」

 将来のビジョンを聞かれれば、「トップリーグ(国内最高峰)で活躍したい」と即答する。今季最後の試合でも、その活躍が期待される。(文:向 風見也)