<ミラノ・コルティナオリンピック(五輪):閉会式>◇22日◇ベローナ五輪アリーナ17日間に渡るミラノ・コルティナ冬季五輪…

<ミラノ・コルティナオリンピック(五輪):閉会式>◇22日◇ベローナ五輪アリーナ

17日間に渡るミラノ・コルティナ冬季五輪が22日(日本時間23日)、幕を下ろした。閉会式は日本では弥生時代だった西暦30年建設の世界遺産ベローナ五輪アリーナで開かれ、日本選手団は旗手を担ったフィギュアスケートの坂本花織(25=シスメックス)、スピードスケートの森重航(25=オカモトグループ)ら選手50人が出席した。東京都の約10倍となる2・2万平方キロの4都市13会場が舞台となった広域開催。30年フランス・アルプス五輪はスピードスケートの近隣国での実施まで検討され、日本も新たな時代に対応した取り組みが求められる。

   ◇   ◇   ◇

世界遺産で初めての閉会式を、各国選手が色鮮やかに彩った。かつて剣闘士が戦ったローマ時代の円形闘技場。それは既存施設でコストを抑える究極の形ともいえた。坂本と森重が、笑顔で日の丸を振った。フィギュアスケートペア金メダルの木原龍一は、三浦璃来をリフトで持ち上げながら歩き「心が折れそうになった瞬間もありましたが、皆さまの励ましのおかげで立ち直ることができました」と感謝を込めた。日本は冬季五輪最多を大幅更新するメダル24個。大躍進に、遠く日本列島が酔いしれた。

未来への試金石でもあった。4会場群はこれまでになく広域で、例えれば東京から“新幹線のない”山形市、福島市、長野市という位置関係。閉会式では国際オリンピック委員会(IOC)のコベントリー会長が「魔法のような大会」と賛辞を贈った。ジャンプ女子で4大会連続出場の高梨沙羅は「割と顔見知りの方がたくさん」と選手村を振り返り「五輪の新しい形。それはそれで楽しい」と捉えた。スケート競技とアイスホッケーで生活していたミラノの坂本は「山の競技の方と関わることができなくて、そこはちょっと寂しかった」と本音を漏らした。

近代五輪の提唱者、クーベルタン男爵はスポーツによる国際交流を大切にした。一方、冬季五輪は持続可能性が問われ、4年後は肥大化する夏季競技から柔道など一部が移行される可能性もある。分散開催の流れが避けられない中、現場では各競技の世界選手権が同時進行で行われているような錯覚に陥る。

日本に目を向ければ、過去最高成績をイタリアに残した。今後は「4年に1度」ではなく、さらに日常的な競技間の交流が求められる。「TEAM JAPAN」の一体感の醸成は全体の好成績はもちろん、スポーツの価値を深く浸透させるために欠かせない。日本オリンピック委員会(JOC)橋本聖子会長も常々「どのように一体感を持って、次のステップに進んでいくか」と広域開催に向き合ってきた。定まった冬季五輪の進路。歩みを加速させる4年になる。【松本航】