NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26ディビジョン1 第9節(交流戦…
NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第9節(交流戦)
2026年2月21日(土)14:30 パロマ瑞穂ラグビー場 (愛知県)
トヨタヴェルブリッツ 52-21 東芝ブレイブルーパス東京
憧れるのはやめて。一歩ずつ、着実に歩みを進める新鋭が浸った初勝利の感慨
朝日大学からアーリーエントリーでトヨタヴェルブリッツに加入したヒンガノ・ロロヘア選手(写真中央のボールを持っている選手)
トヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)が長いトンネルを抜けた。ここまで7連敗と苦境に立っていた中で、2連覇中の東芝ブレイブルーパス東京を迎えたが、試合開始直後からフルスロットルで躍動。52対21の快勝を収め、逆襲の一歩目を刻んだ。
朝日大学から先月アーリーエントリーで加入し、3試合連続で先発出場したヒンガノ・ロロヘア。彼にとってリーグワンでの初勝利となり、また初トライも奪った。群雄割拠のトヨタVのフォワード陣の中で、この試合もしっかり自分の役割を遂行。「とにかくハッピーです」と記念すべき日を喜んだ。
「間違いなく、デビュー戦(第7節・横浜キヤノンイーグルス戦)とは違った雰囲気でした。観客のみなさんも、良いプレーがあったときには立ち上がって声援を送ってくれたので、とてもうれしかったです」
ニュージーランド出身の22歳は朝日大学入学のため来日。トヨタVには練習生としてチームに帯同し、“MIRAI MATCH”と呼ばれるトレーニングマッチにも出場を重ねてきた。
「アーリーエントリーで登録されたときにはチームはタフな状況でしたが、リーグワンでプレーできるようになって、かなり貴重な経験ができています。今日勝利することができたので、これからも積み上げていきたいです」
試合後には、対戦相手のリーチ マイケルから声を掛けられていた。同じくニュージーランド出身で、学生時代に日本に渡ったという点で共通項がある。ほかにも、チームメートにはアーロン・スミス、マーク・テレアがいて、対戦相手にはリッチー・モウンガもいた。同郷のスーパースターたちと競演したことについて、「彼らも僕も同じ人間だから」と特別な思いは抱いていないようだった。
「ビッグネームの選手たちであっても、自分のことを下に見ないようにしています。お互いラグビーが大好きな人ですので、それを楽しみながらプレーできたらと思います」
同じ土俵に立てば、憧れる思いは存在しないのかもしれない。一歩ずつ、着実に、ロロヘアはその歩みを始めている。
(齋藤弦)
トヨタヴェルブリッツ

トヨタヴェルブリッツのスティーブ・ハンセン ヘッドコーチ(右)、姫野和樹キャプテン
トヨタヴェルブリッツ
スティーブ・ハンセン ヘッドコーチ
「まず、チームのことを誇りに思います。シーズンをとおして選手はハードワークをしてきましたし、チームの中には多くのタレントがそろっています。今日のようなパフォーマンスというものを求めてこれまでシーズンを過ごしてきました。まず今日という日をエンジョイするということ、そして今日の試合から得られる自信から、また翌週同じ結果をくり返すことが必要です。週の頭の火曜日からハードワークをし、チームとしてより成長していく必要があります。こういったことを次につなげるために、試合の中で良かったものがなぜ良かったのかを意識しながら、また良い準備をしていきたいです。今日の試合の結果には満足しています」
──スタジアムに集まった多くのファンが今日の勝利を喜んでいました。苦しい中でも応援し続けたファンにコメントをお願いします。
「われわれがプレッシャーを感じていた理由の一つとして、ファンの方々をがっかりさせてしまっているのではないかといったようなことを考えたことがあります。しかし、今日はようやくファンの方々にとっても喜ばしいパフォーマンスを見せることができました。毎週たくさんの方々がチームをサポートし、大きな声を出してくれています。そういったチームの一員でいられることを光栄に思いますし、今日恩返しできたことをうれしく思います」
トヨタヴェルブリッツ
姫野和樹キャプテン
「今日の試合について非常に満足しています。そして、チームの努力についてもとても誇りに思っています。このまま自分たちのラグビースタイルを続けていければ、トップ6を狙えると思います。試合前にチームに向けて言いましたが、信念をもってプレーを遂行できれば、埼玉パナソニックワイルドナイツや東芝ブレイブルーパス東京にも戦えると自信をもって言えます。ここからはい上がっていくという意味でも、今日の勝利は非常に重要だったと思います」
──前節からアタックする時間が増えていると思いますが、どの部分が良くなっていると感じていますか。
「まずは自分たちの強みを理解して、その強みをベースにプランニングすることが非常にうまくいっているのかなと思います。自分たちの強みと言えば、スクラムハーフからハイボールを上げて、マイボールにしていくというような、そういったゲームプランがうまくいっていましたし、キッキングゲームのところでもすごくうまくいったと思います。そこからフォワードが仕事をすべきところで仕事ができている、そういうトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)のスタイルがうまくいっているのかなと思います」
東芝ブレイブルーパス東京

東芝ブレイブルーパス東京のトッド・ブラックアダー ヘッドコーチ(右)、リーチ マイケル キャプテン
東芝ブレイブルーパス東京
トッド・ブラックアダー ヘッドコーチ
「まずはトヨタVさんに、おめでとうございますとお伝えしたいです。勝利に値するパフォーマンスだったと思います。自分たちとしては、ミスが重なり、プレーの精度が低くなったところで試合の流れをもってくることができませんでした。その原因は、やはりトヨタVさんが素晴らしいプレッシャーをわれわれに掛けてきたということにあります。ミスが重なってしまい、まったく試合に入れず、ある程度点差をつけられてしまって、追いかける展開で無理をしながらアタックする展開になってしまい、またミスが重なるという、かなり苦しい状況になってしまいました。チームとしてしっかり振り返って次の試合に準備をしていきたいと思います」
──前節も序盤に点差をつけられる展開となりましたが、どういった原因があるとお考えでしょうか。
「試合の入りをスローペースにしてもいいと言っているわけではありません。しっかり入りから戦っていこうと言ってはいますが、序盤で精度が低くてミスが続いてしまうと、相手のフェーズになってしまって、攻められている中でプレッシャーを受け、さらに深く入られてしまいます。そこから、例えば誰かのミスがあれば、それが致命的なミスになって相手のトライにつながってしまうというところで、全体的に基礎的な部分の精度が一貫性をもって発揮し切れていなかったと思います」
東芝ブレイブルーパス東京
リーチ マイケル キャプテン
「ほぼ満員のスタジアムでプレーして、そして多くのトヨタVのファンが喜んでいる姿を見て、トヨタVにとってはすごく良かった試合だったと思います。自分たちが3試合連続で負けてしまったことは事実です。自分たちの準備について、この3週間を含めてレベルアップして改善している段階ではありますが、もう一度自分たちらしい試合ができるために何が必要か考えていきたいと思います。(レギュラー)シーズンは長くて、残り9試合があって、こういう段階でこのような試合ができたのは、バネになってくるかもしれません。まだまだトップ6(に入るため)の争いがありますので、復活できるようにしたいなと思います。負けたことはすごく悔しい部分もあるし、自分たちのラグビーができなかったのが残念です」
──自分たちらしいラグビーを取り戻すため、試合の中でどんな話し合いをしたのでしょうか。
「問題を解決するための話をするよりも、自分たちに何ができるかというのを常にポジティブに考えていました。今日の試合に関してはセットピースから綺麗なボールを出してアタックし続けること。そして、自分たちの遂行力を意識していこうとしました。ただ、試合が終わってリーダーたちと話して何が一番の原因かと考えたら、自分たちのフィジカルが足りていないという結論になりました。僕たちの伝統の中でフィジカルは絶対に負けない意識でやってきているんですが、(今日は)そこでトヨタVに上回られたと思います」