◆第21回オーシャンS・G3(2月28日、中山競馬場・芝1200メートル=1着馬に高松宮記念優先出走権) 「最後の最後ま…
◆第21回オーシャンS・G3(2月28日、中山競馬場・芝1200メートル=1着馬に高松宮記念優先出走権)
「最後の最後まで全力投球。完全燃焼」。3月3日で定年引退する西園正調教師はラスト重賞のオーシャンSに、2頭の重賞ホースを送り出す。JRA、地方で制した平地重賞は39勝。そのうちの28勝を1600メートル以下の距離で挙げる“短距離王国”を作り上げたトレーナーが、有終の美へ闘志を燃えたぎらせている。
その一頭は前走のシルクロードSで16番人気の評価を覆し、3連単243万円超の大波乱の立役者となったフィオライアだ。「前走は出来すぎくらいな競馬だけど、最後もしぶとかったしスピードも見せた」とうなずき、「ここも頑張ってほしいね」と言葉に力を込める。
一方のビッグシーザーは24年京阪杯の勝ち馬。昨年6月に右第1指節種子骨を骨折し、10か月の戦線離脱を乗り越え、今回が復帰2戦目となる。「もともとこっちの方が期待していたんだから。前走はスタートでつまずいてしまったけど、力のある馬。一回使って動きも軽くなっているし、ここは何とかという気持ち」と並々ならぬ気合。除外対象だが、マイネルジェロディもスタンバイしており「(3頭ともに)今回も十二分の仕上げでいきますよ。最後だからね!」と目をぎらつかせる。07年湯浅三郎調教師、18年福島信晴調教師(ともに阪急杯)に続き3人目(1989年の定年引退導入後)となる最終週の重賞制覇に向け、管理馬をこれ以上ない究極の状態で送り出すつもりだ。
騎手としてJRA通算303勝、調教師として同749勝(23日時点)。合わせて1052勝を積み重ねてきた。大崎昭一騎手がダイシンボルガードで制した1969年の日本ダービーをテレビで見て、ジョッキーという職業に興味を持ち、15歳で競馬界に入って55年。「まあよく勝たせてもらったなって。不器用な私がね。本当に恵まれた競馬人生だった。生まれ変わってもまたJRAで騎手をやりたいし、調教師をやりたい」。穏やかな笑みを浮かべながら回顧する。
集大成となるラストウィークは15頭以上の大攻勢をかける予定。これまでの騎手、調教師生活のすべてを込め、ラストまで駆け抜ける。(山本 理貴)
◆西園 正都(にしぞの・まさと)1955年12月29日、鹿児島県出身。74年3月に栗東・大根田裕也厩舎所属で騎手デビュー。85年のカブトヤマ記念をチェリーテスコで制し、重賞初勝利。97年に調教師試験に合格し、同年2月に騎手を引退。98年3月に栗東で開業。主な管理馬は01年の阪神JFを制したタムロチェリー、12年マイルCSなど重賞5勝のサダムパテックなど。JRA・G1は4勝。他に08年川崎記念・Jpn1(フィールドルージュ)、24年JBCスプリント・Jpn1(タガノビューティー)を勝っている。