季節外れの陽気に包まれた日本列島。試合前の高揚感に包まれた満員のスタジアム映像に合わせて語られた“前口上”にJリーグフ…
季節外れの陽気に包まれた日本列島。試合前の高揚感に包まれた満員のスタジアム映像に合わせて語られた“前口上”にJリーグファンが胸を熱くした。
2月22日、J1百年構想リーグの地域リーグラウンド第3節、ファジアーノ岡山とガンバ大阪が行われたJFE晴れの国スタジアムは、ホームの岡山サポーターを中心に両チームのファンで埋め尽くされていた。キックオフ直前には、リトグリ(Little Glee Monster)がJリーグの応援ソング『For Decades』をピッチ上で歌い、地元の高校生たちによるダンスも披露された。
岡山にとってはこの試合が2026年のホーム開幕戦。試合を中継したDAZNの実況を務めた江本一真アナウンサーが、現地の映像に合わせて「高揚感に包まれた岡山の街です」と語り始める。
「プロスポーツ不毛の地、2003年に誕生しましたファジアーノ岡山、会社員を中心に構成されたアマチュア集団から始まり、今や、トップカテゴリーです」
さらに柔らかい語り口調で言葉を連ねた。
「ファジアーノが岡山の街を変えています。体感したことのないサッカー熱です。昨シーズンから全試合でホームエリアチケット完売、2025年シーズン収容率94.2%はJリーグ60クラブの中でトップです。とてつもない上昇気流に乗る岡山。県民は新スタジアムの建設を求めています。署名は全国歴代最多50万筆を超えました」
さらに「それだけでは終わりません」と続ける。
「日常にファジアーノがあります。LINE・YAHOO検索大賞2025、検索数が急上昇したワード、岡山の第1位は『ファジアーノ岡山 日程』です。フットボールを愛する人間だけが熱狂しているのではありません。ファジアーノ岡山はフットボールに触れてこなかった人間をも虜にしています。まさに、Jリーグがかかげる街とともに歩むクラブづくり。コンセプトを体現した大きな成功例と言えるでしょう」
■「実況が言いたいこと全部言ってくれてる」
この実況シーンをJリーグ公式エックス(旧ツイッター)が公開すると、SNS上には次のような温かいコメントが次々と寄せられた。
「リトグリの歌声、ダンサーさん、サポーターさんで作り上げられた…会場の一体感がハンパない 岡山の街が羨ましい!
「実況さんの前口上素晴らしい」
「実況が言いたいこと全部言ってくれてる」
「この語りはサッカーファン必聴。いや、サッカーファンでなくても、スピーチ(?)のお手本として聴いておいた方がいい」
「ちょっと、この江本さんの口上は鳥肌立ったな…情報量と語り口もそうだけど、いつも両チームへのリスペクトがあって、比べちゃダメなんだろうけど他の実況者さんより抜けた存在だと思う いつも楽しく視聴出来てありがたいです」
岡山は昨季、クラブ初のJ1シーズンを堂々の13位で終えた。オフに主力数人が他クラブへ移籍したが、クラブおよびチームのコンセプトは変わらない。百年構想リーグでは2試合連続のPK負けスタートとなり、この日のG大阪戦は1−2敗戦となったが、多くのチャンスを作り出し、スタンドのファンからは何度も歓声が沸き起こった。
全国の各自治体によってJリーグクラブに対する見解やバックアップ体制が異なるのが実情だが、岡山の地では、江本アナウンサーの言葉の通り、ファジアーノが街を変え、日常の中に「ファジアーノがある」のは間違いない。満員のスタジアムとサポーターたちの表情が、その証になっている。