<ミラノ・コルティナオリンピック(五輪):フィギュアスケート>◇21日(日本時間22日)◇エキシビション◇ミラノ・アイス…
<ミラノ・コルティナオリンピック(五輪):フィギュアスケート>◇21日(日本時間22日)◇エキシビション◇ミラノ・アイススケートアリーナ
ペアで日本初の金メダルに輝いた三浦璃来(24)木原龍一(33)組(木下グループ)が、らしさ全開で五輪を締めくくった。
三浦の衣装の背中のファスナーが開いたままのハプニングにも、演技中に木原が対応して「今日は僕がお兄さん」で笑顔。4年後のフランス・アルプス五輪挑戦は明言を避け、まずは帰国を心待ちにした。佐藤駿(22=エームサービス/明大)、中井亜美(17=TOKIOインカラミ)の銅メダルコンビは、来季の高難度ジャンプ挑戦を目指す。
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おかしい…。大技たっぷりに盛り上げるエキシビション。ふと、木原がつぶやいた。「背中が開いてる…」。演技前、三浦の衣装のチャックを閉めるのを失念していた。「デススパイラルの後なら閉められる」。とっさに振り付けをイメージし、自身を軸に、コンパスのように周囲を三浦が回る技を早めに切り上げた。三浦が笑顔で踊るアドリブの背後で、チャックを引き上げた。突然のミッション完了。以降は三浦の右足首を持ってハンマー投げのように回転させる技などで、ボルテージを上げきった。
木原 僕、滑りながら、頭の中でちゃんと考えていました。今日は僕が“お兄さん”でした。
日本中に感動を届けたフリーから、5日がたった。ショートプログラム(SP)はリフトのミスで5位と出遅れ、責任を背負って切り替えられない自身を三浦が支えてくれた。「今日は私がお姉さんでした」。9歳下のパートナーは頼もしく、現行の採点方式では史上最大得点差の逆転金メダルが現実のものになった。
結成7季目。22年北京五輪後は「4年後も8年後も目指します」と30年フランス・アルプス大会までのキャリアを描いた。一方、今大会の金メダルを目標に、たくさんの犠牲を払ってきた。率直な思いを紡いだ。
木原 このミラノまで走り抜けることをテーマにやってきた。何も考えていないのが正直なところです。
拠点はカナダに置いており、閉幕後は25年12月以来の帰国となる。三浦が「報告とともに家族との時間を大切にしたい」とうなずくと、木原も「好きなボードゲームを買いたい。あとは通院」と笑った。個人金、団体銀の2つのメダル。最後まで五輪をかみしめた。
三浦 やっぱり全選手の夢の場所で、かけがえのない場所です。
木原 楽しい。つらいこともありましたが、やっぱり特別な場所と思いました。
泣いて、笑って、そこに希望を残した。【松本航】