<侍日記>どんなプロ野球選手も、親から見れば1人の子供だ。選手のご両親を取材させてもらうとつくづくそう思う。3連休中日で…
<侍日記>
どんなプロ野球選手も、親から見れば1人の子供だ。選手のご両親を取材させてもらうとつくづくそう思う。
3連休中日で壮行試合とあって人でごった返したこの日、侍ジャパン大勢投手(26)を追いかける男性がいた。兵庫・多可町から駆けつけた父親の翁田八寿男さん(58)。サブグラウンドで汗を流す息子を見つめ「今日は元気やから調子よさそうやな~」。八寿男さんの調子もよさそうだ。
親だからと言って謙虚な姿勢は崩さない。息子でありながら、遠くに行ってしまったようにも感じている。だから「邪魔はしたくないねん」と遠くから眺めるだけ。ただ、練習途中の球場移動でたまたま目の前を通りかかったときは息子にあいさつ。するとよそよそしくぺこりと会釈してにやり。八寿男さんは「さすがおれの息子やな。そっくりや」とユーモアセンスに脱帽していた。
大勢本人としても照れくささはあるだろう。それは普段の良い関係性の裏返しでもある。昨年末には還暦の前祝いで末っ子の大勢を含めた3きょうだいから旅行のプレゼントがあったという。1次ラウンドを突破すれば還暦間近にして人生初海外となるマイアミ観戦も計画している。「無事に行って帰ることと世界一になること。その2つやな」と八寿男さん。日の丸を背負っても、親から見れば0歳から見守ってきた変わらない息子。私はルーキー時代から大勢やご両親を取材させてもらってきた。あのメンタルとユーモア、やっぱりこの親にしてこの子あり、といつも思う。【小早川宗一郎】