◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽フィギュアスケート エキシビション(21日、ミラノ・アイススケートアリーナ) ミラノ・コルテ…

◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽フィギュアスケート エキシビション(21日、ミラノ・アイススケートアリーナ)

 ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケートは、21日のエキシビションでフィナーレを迎えた。日本勢は団体、個人の4種目で、計6個の史上最多メダルを獲得。男女シングルではともにダブル表彰台と、「フィギュア大国」として名乗りを上げた。日本フィギュアの歴史を塗り替えた選手たちの奮闘を、フィギュアスケート担当の大谷翔太記者が総括。収穫と課題をあぶり出す。

 ミラノ・コルティナ五輪でフィギュアスケート日本勢は、過去最高のメダル6個を獲得。ペアの三浦璃来(24)、木原龍一(33)組=木下グループ=が金など史上初の快挙が並んだ。日本連盟の竹内洋輔強化部長(46)は「日本のフィギュアスケートにおける、歴史的な転換点。選手の偉業」と評価。歴史を塗り替えた数で言えば、確かに分岐点ではあった。

 男子は3大会連続のダブル表彰台、女子では坂本花織(25)=シスメックス=が初めて2大会連続メダルを獲得し、中井亜美(17)=TOKIOインカラミ=と同じく女子初の複数メダルをつかんだ。男子の鍵山優真(22)=オリエンタルバイオ・中京大=と坂本は、連続ダブルメダルで日本勢最多メダルの4個に到達。何より、国内ではまだ競技人口の少ないペアで「りくりゅう」が残した功績は大きい。日本のベンチマークとして競技力発展に寄与すると考えられる。

 一方で、厳しい見方をすれば、男女シングルでは金メダルを逃したとも言える。王者シャイドロフ(カザフスタン)、女王リュウ(米国)の優勝点数はそれぞれ291・58点と226・79点。今季自己ベストでは鍵山が302・41点、坂本が227・18点と上回っている。竹内強化部長は「自分でメダルを取りにいっている選手に関して、コンディションがよくてもメンタルにむしばまれる、パフォーマンスが発揮できない、そこのコントロールが難しかった」と言った。まずはシーズンの中でベストパフォーマンスをする、そのための準備をサポートする体制の再構築は必要だろう。

 今大会、シングルでは初めて団体SP、フリーを滑った坂本。天性のリーダーシップを持った選手が抜ける穴は大きい。自身の演技がありながら直前の応援に駆けつけたり、パフォーマンスではライバル米国を抑えて1位を取ったりする。本人は完走後「めっちゃ疲れました」と言っていたが、これほど、特に精神面でチームを引っ張れる選手がいるだろうか。新リーダーの台頭は、特にチーム戦において欠かせない。

 今回初出場だった20歳の千葉百音(もね、20)や三浦佳生(かお、20)ら、4年後のリーダー格となる選手の成長に期待したい。そして、アイスダンスの強化も団体金メダルに向けては急務。国内で挑戦する機運を高め、後押しするサポートが必要だろう。全種目で日本勢がメダルを掲げる姿を、2030年五輪では見てみたい。(大谷 翔太)