<プロボクシング:WBA世界スーパーライト級タイトルマッチ12回戦>◇21日(日本時間22日)◇米ネバダ州ラスベガス・T…

<プロボクシング:WBA世界スーパーライト級タイトルマッチ12回戦>◇21日(日本時間22日)◇米ネバダ州ラスベガス・T-モバイル・アリーナ

WBA世界スーパーライト級1位の平岡アンディ(29=大橋)が初挑戦で世界王座獲得に失敗した。同級王者ゲーリー・ラッセル(29=米国)に挑み、12回判定負け。プロ初黒星を味わった。世界的に選手層の厚い同階級。日本勢では92年の平仲明信以来、34年ぶりの世界王座獲得はならなかった。

1月中旬にカードが正式決定後、すぐにビザ発給の手続きを行ったが、トランプ米政権による入国制限措置の影響もあって自身のパスポートを受けとったのが19日午前。試合2日前に現地入りというギリギリ出発だった。平岡は「こればかりはどうしようもない。もう吹っ切れていますよ。やるしかない」と覚悟を示し、ラッセルと対峙(たいじ)していた。

もともと昨年11月14日に米マイアミで組まれていた世界戦だった。しかし世界戦が組まれた興行自体がメインイベント出場選手の問題で延期に。今回は興行プロモートや日程、会場も仕切り直された世界初舞台だった。ハプニングの連続だったが、平岡は「この試合がなくなったら、次にいつチャンスもくるか分からないと思っていた」と平常心でリングに立っていた。

最終調整ではメキシコから無敗の新鋭2人を呼んで120ラウンド近くのスパーリングを消化。実戦重視でラッセル攻略を練ってきた。24年9月の当時の暫定王者イスマエル・バロッソ(べネズエラ)との挑戦者決定戦での9回TKO勝ちから1年以上も試合間隔が空いたこともあり、過去最高の総スパーリング数に取り組んでいたが、世界ベルトには届かなかった。

10年前、花形ジム所属時代に米修行していた時、ラッセルと対面している。10年ぶりの再会は世界戦の舞台だった。ラスベガスでは19年11月、20年10月と米プロモート大手トップランク社の興行で試合も経験している平岡だが「もともとラスベガスで世界戦をやるのは本当に夢だった」という念願の大舞台だった。

10歳当時、TBS系列のバラエティー番組「さんまのスーパーからくりTV」に出演していた。「あがり症」を克服するために、明石家さんまに手紙を出した「泣き虫アンディくん」。トレーナーの父ジャスティス・コジョ氏から受ける「迷言」でもお茶の間をわかせていた平岡は、ラスベガスで「世界のアンディ」を証明することができなかった。

■ラウンドVTR■

1回 お互いにサウスポースタイルで入る。リーチの長い平岡は中間距離から右ジャブ、対するラッセルは徐々に距離を詰める。両者のハンドスピードが目立つ展開。ガードの間からも右ジャブをねじ込んだ。ほぼ互角のアクションの多い王者ラッセルのラウンドか。日刊採点はラッセルの10―9

2回 リングを回りまわりながら平岡が右ジャブを打つ。接近戦を好むラッセルのプレッシャーに少し下がりながらも右ジャブでリズムをつくろうとした。中間距離での展開が長く、リーチで上回る平岡のペースで3分間が終わった。日刊採点は平岡の10―9

3回 ゴングと同時に詰め寄る王者ラッセルに対し、平岡は右ジャブで対応。ロープ際に追い込まれた後の連打にも冷静に対処した。至近距離で左ストレートを浴びながらも再び距離をキープ。あえてガードを下げ、左ストレートのカウンターを狙った。高速の右ジャブでラッセルの突進を止めた。日刊採点は平岡の10―9

4回 接近戦を仕掛ける王者ラッセル、平岡は足を使いながら右ジャブで止める。ラッセルの左フックが当たりはじめる。偶然のバッティングで少し中断後、平岡はキレある左ストレートをみせる。しかしロープ際に追い込まれ、ボディー連打を浴びた。やや押されている印象か。日刊採点はラッセルの10―9

5回  ラッセルが接近戦を仕掛け、左フックなど連打を浴びせる。すぐに距離を取って立ち直した平岡は再び右ジャブからペースを奪おうとした。ジャブの打ち合いの後、ボディー攻撃も回避。しかしコーナーに追い込まれ、左アッパーを狙われる。さらに右フックも浴びてしまった。日刊採点はラッセルの10―9

6回 平岡が先に右ジャブを放ち、ラッセルを誘う。接近戦となり、ボディー連打を浴びた。リーチの長さを生かし、伸びる右ジャブを放ち、さらに左フックを狙った。接近戦でも平岡の右フック、右ボディーで対抗。低い姿勢から前に出て右フックを狙うラッセルに負けじと打ち返した。日刊採点は平岡の10―9

7回 平岡がラッセルの回転力あるパンチを避け、接近戦でクリンチされると左フック連打を浴びせた。さらに右ボディーフックをねじ込み、左と右とボディーフックを次々と浴びせ、接近戦を続けた。ラッセルも左右のフックで応戦。平岡は左カウンターで顔面に浴びせたが、ロープ際に追い込まれて顔面に数発のパンチを浴びた。日刊採点はラッセルの10―9

8回 前に出るラッセルを押し返した平岡は右ジャブを丁寧に打つ。ラッセルの右フックを避けながらロープに追い込んで右ボディーを打ち込んだ。ラッセルのワンツーも空振りさせ、右ボディー、右フック、左ボディーなどで接近戦でも押した。残り10秒でもロープ際に追い込もうとした。日刊採点は平岡の10―9

9回 フェイントをかけながら平岡が距離を詰める。近づくと連打を打つラッセルを制しながら前に出た。ラッセルのボディー攻撃を手を焼いた。何とかクリンチで局面打開しようとしたが、左フックを浴びた。右ジャブの数は減少。ラッセル得意の接近戦に応じ、押しながら右アッパー、右ボディーを打ち込んだ。日刊採点は平岡の10―9

10回 平岡が接近戦から右ボディーを打つが、ローブローを打ち込み少し休憩が入る。試合再開後、平岡は右ジャブ、左ストレートなどで攻め込んだ。足を使って動く平岡は接近戦もクリンチで逃れた。ロープ際でもラッセルのパンチを空振りさせた。しかし平岡は再びローブローを打ってしまい、ここで平岡の減点1となった。日刊採点はラッセルの10―8

11回 お互いにジャブを打ち合い、激しい主導権争いを展開。平岡が前に出てラッセルをロープ際に追い込み、右ボディーを打った。ラッセルの的確な右ブックを浴びながらも冷静にリングを動いた。接近戦での右ボディー、左ボディー、ロープ際に追い込んでの左ストレートとアグレッシブに動いた。右ボディーを的確にヒットさせ、左右と連打を決めた。日刊採点は平岡の10―9

12回 平岡が積極的に仕掛けようとするが、ラッセルの連打に止められた。前に出ながらロープ際にラッセルを追い込むと、平岡は右フック、左ストレートを狙った。ジャブの打ち合いでも競り合い、右フック、左ショートパンチで攻勢。押し合いながらロープ際に追い込み、ボディー攻撃を仕掛けた。フルラウンドを戦い抜き、判定決着に持ち込まれた。日刊採点は平岡の10―9

◆平岡(ひらおか)アンディ 1996年(平8)(平8)8月8日、横浜市生まれ。元アマボクサーでガーナ人の父ジャスティス・コジョ氏の勧めで4歳からボクシングを開始。中学から陸上中距離で活躍し、横浜高時代に国体出場。同高在学中の13年2月に花形ジムでプロデビューし、4回TKO勝ち。14年に東日本ライト級新人王獲得。15年から米修行し、17年から大橋ジム所属。18年9月、日本ユース・スーパーライト級王座獲得。21年10月、日本、WBOアジア・パシフィック同級王座を獲得。身長180センチの左ボクサーファイター。