(21日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉スピードスケート男子マススタート) ポーランド代表のウラジーミル・…
(21日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉スピードスケート男子マススタート)
ポーランド代表のウラジーミル・セミルニーは決勝に進めなかった。それでも、初めての五輪は充実感に浸れる日々だった。
大会公式サイトの選手紹介にある出身地は「ロシア・エカテリンブルク」。それ以上の情報はない。国際スケート連盟のサイトに「国籍変更」に関する説明があった。
「2023年9月にロシアを離れ、そのまま単身でポーランドに行った。25年9月にポーランド国籍を取得。家族はロシアに残った。最後に会ったのは24年8月」
昨年の世界選手権では5000、1万メートルで2位に入った。歴史的に反ロシアの感情が強いポーランドだが、五輪に間に合わせるための「芸は身を助ける」で迅速に国籍を取得できたのか。
そんな想像も働く。
メダル候補として臨んだミラノでは、1万メートルで銀メダルを手にした。ポーランドのトゥスク首相がSNSで「新しい祖国ポーランドのために銀メダルを獲得した。素晴らしい物語だ。ブラボー、ウラジミール!」と祝福した。
五輪をめざすために母国を捨てる形になったセミルニーは21日、「SNSで一部、批判的な声もあったけど、大半はメダルを喜んでくれた」。
今回のメダルが追い風になり、ロシアにいる家族の「(ポーランドへの)ビザが早く取れることを願っている」と期待を込めた。(稲垣康介)