中央競馬のGIシリーズがスタートする。口火を切るのは、上半期のダート王決定戦となるGIフェブラリーS(2月22日/東京…
中央競馬のGIシリーズがスタートする。口火を切るのは、上半期のダート王決定戦となるGIフェブラリーS(2月22日/東京・ダート1600m)だ。
最近は中東で行なわれるGIサウジカップ(キングアブドゥルアジーズ・ダート1800m)や、GIドバイワールドカップ(メイダン・ダート2000m)との兼ね合いでメンバーが薄くなることも多かったが、今年は連覇を狙うコスタノヴァ(牡6歳)に、昨年末のGIチャンピオンズカップ(12月7日/中京・ダート1800m)の覇者ダブルハートボンド(牝5歳)など、豪華メンバーが顔をそろえた。
となると、馬券的な妙味も増しそうだ。前出の2頭に、チャンピオンズカップ3年連続2着のウィルソンテソーロ(牡7歳)を加えた3頭による三つ巴の様相にあるが、伏兵陣も侮れない面々がズラリ。かなりの激戦が予想され、スポーツ報知の坂本達洋記者もこう語る。
「JRAのGⅠ初制覇を狙うウィルソンテソーロはもちろんのこと、ラムジェット(牡5歳)も実力派の1頭。上位人気も割れそうですから、オイシイ配当が期待できそう」
過去10年を振り返ってみても、1番人気は4勝、2着2回、3着2回と安定した成績を残しているが、人気薄の台頭も目立っている。一昨年の勝ち馬ペプチドナイル(11番人気)をはじめ、7番人気以下の伏兵が何度も馬券圏内(3着以内)に突っ込んできており、3連単ではしばしば好配当が生まれている。
そうしたなか、坂本記者が中心視しているのは、紅一点のダブルハートボンドだ。
「ここまで8戦7勝、2着1回とオール連対。まだ底を見せておらず、チャンピオンズカップでGI制覇を遂げて、ここでも人気を集めるのは間違いないと思います。ただ、配当的にはそこそこ期待できると踏んでいます。
というのも、1997年のGI昇格以降、フェブラリーSでは牝馬の勝利がありません。そもそも牝馬はキレ味や瞬発力に秀でているが、パワーに関しては牡馬に劣る、というのが一般的。実際、ダート路線のトップクラスになると、どうしても牡馬の層が厚く、フェブラリーSでも過去の(GI昇格後の)総出走馬数における牝馬の割合は1割に達していません。
そういった状況にあっては、ダブルハートボンドの能力の高さは認めても、抜けた存在と見る向きは少ないのではないでしょうか。いずれにしても"一本かぶり"とまではならず、実績馬同士で人気を分け合う形になるでしょうから、ダブルハートボンドを軸にしても組み合わせ次第では、それなりの配当が見込めると思います」
そうして、坂本記者はダブルハートボンドとの組み合わせでも好配当が見込める穴馬候補として、2頭をピックアップした。1頭目は、シックスペンス(牡5歳)だ。
フェブラリーSでの一発が期待されるシックスペンス
photo by Eiichi Yamane/AFLO
「昨春のGⅡ中山記念(3月2日/中山・芝1800m)など、芝で重賞3勝を挙げている実績馬ですが、ダートでのキャリアはわずか2戦。もともと蹄など脚元に弱さがあり、キャリア自体計10戦と多くはないのですが、昨年の春頃から本格化の兆しを見せてきており、まだまだパフォーマンスを上げられる余地は十分にあると見ています。
管理する国枝栄厩舎で調教を担当する国枝翔助手も、『まだ中山記念の時は脚元のこともあって攻めきれず、重たい状態で勝ってびっくりしましたが、その後のGI大阪杯(4月6日/阪神・芝2000m)の頃には筋肉がついてきて変わってきました』と、ひと皮むけてきたことを明かしています。
その大阪杯では、かかって不完全燃焼の7着。続くGI安田記念(6月8日/東京・芝1600m)でも力を出しきれずに12着と振るいませんでしたが、ひと夏越して挑んだ初ダートの地方交流GI南部杯(10月13日/盛岡・ダート1600m)では2着と好走。ダート適性を示したのは評価できます」
また、今回はチャンピオンズカップ以来のレースとなるが、それくらい間隔が空くのは「むしろいい」と坂本記者は言う。
「休み明けを使うと、状態自体はよくなるのですが、どうも気が入ってしまうようで、それもあってか、久々のほうが結果が出るタイプ。その点、今回はちょうどいい具合で出走できそうで、それなりに流れるワンターンの東京コースも合っているイメージです。
さらに、『パワーがすごいですから、ダートは問題ないと思います。追い切りでも(併せ馬に)並びにいく時の一瞬の脚が異常な速さ。GⅠを獲れるくらいの能力はあると思います。何とかそれを証明してほしいです』と国枝翔助手。3月の定年・引退に花を添える父・国枝栄調教師の"ラストGI制覇"へ、期待を膨らませていました」
坂本記者が推奨するもう1頭は、サイモンザナドゥ(牡6歳)だ。
「昨春にオープン入り。着実に力をつけている印象があります。昇級後も、GⅢシリウスS(9月27日/阪神・ダート2000m)、GⅢみやこS(11月9日/京都・ダート1800m)と重賞で連続2着と好走したのは評価できます。
みやこSでは、ダブルハートボンドにクビ差まで迫る走りを披露。年明けのGⅡプロキオンS(1月25日/京都・ダート1800m)を制し、今回も出走する3着ロードクロンヌ(牡5歳)には3馬身差をつけました。
サイモンザナドゥはプロキオンSで9着でしたが、『落鉄した影響が響いた』と陣営。あまり悲観する必要はなく、ダブルハートボンドやロードクロンヌとの比較からも、ここで力量的に見劣ることはありません。
父アジアエクスプレスは短距離からマイルで結果を出している産駒が多く、初の1600m戦でも心配する必要はないでしょう。5大母ワールドハヤブサから広がる、千代田牧場が誇る一大牝系の流れを組む同馬。まだまだ奥がありそうなイメージが絶えません。
現在の充実ぶりと血統的な魅力から、ここでも立ち回りひとつで一発の可能性は十分。大駆けへの期待が高まります」
2026年、JRA最初のGI戦。ハイレベルかつ、熾烈な争いから目が離せない。