うつむいたまま、採点結果を聞き入ったペトロシアン(C)Getty Images 無念の結末に落胆するしかなかった。現地時…

うつむいたまま、採点結果を聞き入ったペトロシアン(C)Getty Images
無念の結末に落胆するしかなかった。現地時間2月19日に行われたミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート女子フリーで、女子は唯一「個人の中立選手(AIN)」として参加したロシアのアデリア・ペトロシアンだ。
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ライバルたちとの差は計り知れなかった。ショートプログラム3位のアリサ・リウ(米国)が逆転で金メダルを獲得し、日本の坂本花織が銀メダル、中井亜美が銅メダルに輝いた今大会にあってペトロシアンは、大技4回転トーループに挑んだが、回りきれずに転倒。演技後半では、予定した4回転トーループを回避して無難にまとめたが、得点は伸ばしきれず……。ショートプログラムからの合計点は優勝したリウとは12.26差の214.53。内容の悪さは、本人の強張り続ける表情が物語った。
前回の北京大会(2022年)でアンナ・シェルバコワが金メダルを手にし、アレクサンドラ・トゥルソワが2位に食い込んで躍進したロシア勢で“唯一”の参戦者だった18歳は、上位争いに食い込もうと奔走した。しかし、22年2月からウクライナ侵攻が始まって以来、国際大会への参加を禁じられ、国内での活躍に終始するしかなく、海外勢との力量差を常に推し量れなかった影響は凄まじく。フィギュア大国の威信を見せつけられなかった感は否めない。
フリー終了後にロシア・メディア『Sport Express』の取材に応じたペトロシアンは、「まだ細かく振り返る気にはなれない。あまり見たくない。もうどうでもいい」と吐露。失敗に終わった4回転の挑戦について「私には他に選択肢がなかった」と正直に打ち明け、演技構成を猛省した。
「4回転ジャンプに挑戦しなかったらどうなっていたかはわからない。当初は別の、もっと複雑な構成を計画していたの。でも、すべてが計画通りに進まなくなった。(4回転ジャンプを)転倒して、より計画が崩れてしまったと思う。でも、あの状況からして、私には他の選択肢はなかった」
切羽詰まった状況で捻りだすしかなかった自らのパフォーマンスを「ネガティブな考えしか残ってない。何とか現実に戻りたいけど…」と回想するペトロシアン。彼女は悲痛な面持ちで懺悔の言葉も口にした。
「あんなパフォーマンスの後でロシアに帰国するのは精神的にも辛く、難しい。今日のようなことが起こったことを、自分自身、連盟、コーチたち、そして観客に対して恥ずかしく思う。ただ、すべては自分の責任だと理解している」
相当な重圧にあったのは想像に難くない。果たして4年後に再起のチャンスはあるのか。彼女の成長の行方は興味深いところだが……。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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