オリンピック王者となり、ニッコリと笑顔を見せたリウ(C)Getty Imgaes 緊張を全くと言っていいほど感じさせない…

オリンピック王者となり、ニッコリと笑顔を見せたリウ(C)Getty Imgaes

 緊張を全くと言っていいほど感じさせないのびのびとした演技が異彩を放った。現地時間2月19日に行われたミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート女子フリーで、アリサ・リウ(米国)がトップの150.20点をマーク。合計226.79点で、ショートプログラム3位から逆転の金メダルをつかんだ。

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 同種目における米国勢の金メダル獲得は、2002年ソルトレークシティ大会のサラ・ヒューズ以来、24年ぶりの快挙。当然、リウにも少なくない重圧があったと思われるが、氷上に立った彼女に緊張は見られなかった。ルッツートーループの連続3回転を決めるなど、冒頭から高さとキレのあるジャンプで圧倒し、大衆を虜にした。

 最初から最後まで笑顔がはじけた。そんなリウは競技直後に行われた米放送局『NBC Sport』のインタビューで「なぜ、緊張せず楽しそうに滑ることができるのか」と問われ、「私は別にメダルはいらないの」と返答。そして、にこやかに続けた。

「私は自分の物語や芸術性、そして創造のプロセスを周りと分かち合うのが好き。たとえ失敗をしても、何かが失われるわけじゃない。むしろ、そこに何かが残って物語になるの。悪い物語であろうと、それも物語の一部だし、美しいと思うから」

 大学で心理学を専攻する20歳。「本当に助けになった」という学びが、強いメンタリティを生み出し、世界を魅了するパフォーマンスに繋がった。

 重圧を寄せ付けず、世界の頂に立ったリウの柔軟な考え方は、フィギュア界のレジェンドも舌を巻いている。ロシアの国営通信社『TASS』のフラッシュインタビューに応じた元世界王者のアレクセイ・ヤグディン氏は、こう答えている。

「リウは良い意味でその場でプログラムを編み出しているかのように、非常に自由で、オープンで、気取らない滑りを披露した。そのパフォーマンスに観客はただただ興奮していた。私は彼女のようなスケーターを知らない。リウは、フィギュアスケート界において特別な存在だ」

 弱冠二十歳で金メダルを手にしたリウ。その型破りなスタイルは次世代のアスリートたちにとっても活躍のヒントとなりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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