2026年のJリーグが開幕し、特別リーグとなる百年構想リーグが始まった。PK戦が導入されるなど、目新しい大会ではあるが…

 2026年のJリーグが開幕し、特別リーグとなる百年構想リーグが始まった。PK戦が導入されるなど、目新しい大会ではあるが、他にも目を引くことがある。日本サッカーの発展を示すセンターバック(CB)の成長について、サッカージャーナリスト後藤健生がつづる。

■野球に負けない選手の進化

 いずれにしても、「百年構想リーグ」の第2節では各チームの若いCBの活躍が目についたのである。

 日本のサッカー界では、かつてはCBが手薄なポジションだった時代もある。

 1990年代後半から2000年代初めにかけて、日本人選手がヨーロッパのクラブに渡る機会が多くなったが、その多くが中田英寿や中村俊輔小野伸二香川真司のようなテクニックが生かせる攻撃的MFだった。また、内田篤人長友佑都などサイドバックも何人かトップクラブで活躍していた。

 だが、フィジカル的な強さが求められるポジションでは日本人は通用しないように思われた。たとえば、高さが求められるGKだったり、屈強なFW陣と対峙しなければならないCBといったポジションである。

 同じ頃に日本人の野球選手がメジャーリーグ・ベースボール(MLB)に挑戦を始めたが、最初に野茂英雄が成功したものの、「バッターは無理」と思われていた。その後、イチローが打者として大成功を収めたものの、「パワーが必要な長距離ヒッターは無理」と言われていた。しかし、現在は毎年のように日本人選手がホームラン王争いを繰り広げているのだ。

■増え続ける欧州の日本人CB

 サッカーでも、今では何人ものCBがヨーロッパ各国で活躍。「日本人だから」という理由でその存在を否定する人は誰もいないだろう。

 しかも、ヨーロッパで活躍できるのは冨安健洋など一握りの選手だけではない(ようやく負傷が癒えた冨安はアヤックスに移籍したが、まだ出場機会は限られているようだ)。

 たとえば、同じオランダの強豪フェイエノールトの渡辺剛はほぼフル出場している。

 また、1月にザンクトパウリに移籍したばかりの安藤智也は「コンディションが整っていない」などと言われながらも、早くもレギュラー格の存在になっているし、2025年夏にFCコペンハーゲンに渡った鈴木淳之介もしっかりとポジションを確保して、先日はチャンピオンズリーグの試合でカンプノウでFCバルセロナを相手にプレーした。

 昨年の今頃は、アビスパ福岡湘南ベルマーレの若手DFだった選手が、今ではもう世界のトップに近いところでプレーしているのである。

■まだまだ出てくる若い才能

 トットナム・ホットスパーから期限付きでボルシア・メンヘングラードバッハに移った高井幸大はまだあまり出場機会を与えられていないし、U-23アジアカップ優勝に大きく貢献したばかりの市原吏音は、大会直後にAZアルクマールに移籍したが、まだベンチを温める試合が続いている。

 しかし、いずれも能力の高い選手であることは間違いない。いずれはレギュラーの座をつかみ取るときが来るはずだ。

 開幕したばかりの「J1百年構想リーグ」でも若いCBの活躍が目についた。日本は、いつの間にか「CB大国」になっていたようである。そして、前線に正確なパスを通す技術力というのも日本人DFの大きなストロング・ポイントとなるのではないだろうか。

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