<村上頌樹単独インタビュー>2年連続の開幕投手を狙う阪神村上頌樹投手(27)が単独インタビューに応じ、日の丸に対する思い…
<村上頌樹単独インタビュー>
2年連続の開幕投手を狙う阪神村上頌樹投手(27)が単独インタビューに応じ、日の丸に対する思い、エースの覚悟など、向上心に満ちた胸の内をたっぷりと披露した。昨年は投手3冠を獲得。NPBを代表する投手になった今、見据える先はどこなのか。必見の内容となった。【柏原誠】
◇ ◇ ◇
-ここまでは順調
「段階的に、想定した順番通りにやれています」
-キャンプ序盤に1段モーションを試したことが話題になった。今は従来の2段に戻している
「あのときは2段で思った通りに動けていなかった。1段の方がうまく体が使えていた。もともと戻すつもりだったので、新フォームということではなかった。タイミングはこうだよというのを体に覚えさせるために反復して、2段に戻してもう1度合わせて。もうフォーム的に試すところはない。あとは精度を高めていく作業になります」
-去年は投手3冠。さらに高めるのはすごくレベルが高い話だ
「イニング数はもう少し伸ばしたいし、防御率もまだまだ下げられると思っています。去年は全試合でクオリティースタート(QS)するつもりでした。本当に厳しいことだけど、全試合でQSを達成したい。1年間、安定感を出すためにはそこが大事。疲れていようが体調が悪かろうがクリアしたい。そこからが勝負だと思っています」
-3年間のいろいろな経験が血肉に
「3年間ローテーションを回らせてもらって自信になっているし、考え方とかも成長したなと思います。本当に使っていただいてありがたい。継続してしっかり成績を残したいです」
-昨年は沢村賞まであと少しだった
「いろいろタイトルを取らせていただいて、次に狙うところは沢村賞です。目標にしています。そうなるとイニング数、完投数。もっともっと自分を高めないといけません」
-去年はマウンドで感情を出すことが増えた
「劣勢の時、苦しい時に自分が抑えて、チームの士気を上げる(狙い)とか。自分が抑えて、終盤で逆転してくれた試合が結構あった。そうやって抑えれば野手の皆さんも奮い立ってくれると分かりました。やりきった、あそこを抑えてよかったなという気持ちがあった。簡単ではないけど粘り強く、投げた試合はどんな形でも勝つ、という気持ちでいます」
-開幕投手への意識
「大事な試合ですが、1年間やる中の143分の1でもあります。終盤の1試合の方が大事になるかもしれない。硬くなることなく、シーズンの中の1試合と思えばいいかなと」
-NPBトップの投手になった。WBC、侍ジャパンに対する思いは
「(不選出は)仕方ないこと。プロで日本代表に入っていなくてボール(国際球)にも触っていません。でも、もっともっと圧倒的な成績を出していれば今回選ばれる可能性は高かったと思う。これからも抑えていけば可能性はないことない。これから次第、自分次第と思っていますね」
-日の丸へのあこがれ
「やっぱり1度はやってみたい気持ちがあります。国内だけじゃ経験できないものもあると思います」
-今度のWBCはどういう視点で見るのか
「やっぱり勉強しながら見ると思います。どういう配球をするのだろう、どんな投げ方でどんな球を投げるのか。たぶん日本が攻撃しているときは楽しんで、日本が守っている時は勉強していると思います」
-昨年10月に結婚。キャンプ中の連絡は
「朝と練習後にっていう感じです。LINEと、たまに電話。いつも僕に自信をくれます。しんどいときもほめてくれるし、前向きになれる。疲れているときでも、動画(キャンプ動画)を見て何か言ってくれたり。支えてもらっているなあ、と改めて感じています」
<取材後記>
弊社カメラマンのユニークなアイデアに感謝したい。紙面上でハイタッチを表現するために、村上投手と手を合わせる“ハンドモデル”を仰せつかった。何カットも撮らせてもらったため、撮影は1分以上におよんだ。一流投手の手をこんなに長々と触ったことなど、もちろんない。
村上投手の手はそんなに大きいわけでもなく、ゴツゴツ感もなく、むしろ柔らかな印象を受けた。こんな優しい手からあんな快速球を投げ込むのかと驚かされた。そして何より指先に目がいく。第1関節だけがクイッと曲がる特長がある。脅威の「真っスラ」を生み出す魔法の指で、今年もたくさんのハイタッチを交わすに違いない。【阪神担当=柏原誠】
◆村上のQS 昨季は先発した26試合のうち、22試合でQSを達成。22度は伊藤(日本ハム)と並ぶ12球団最多で、セ・リーグで20度以上は村上だけだった。
◆村上頌樹(むらかみ・しょうき)1998年(平10)6月25日生まれ、兵庫・南あわじ市出身。智弁学園では3年春のセンバツで、決勝の高松商戦で延長11回に自らサヨナラ打を放って優勝。東洋大を経て、20年ドラフト5位で阪神入団。3年目の23年、4月22日中日戦で初勝利を完封で飾ると、2桁勝利、防御率1・75と大ブレーク。チームの日本一に貢献し、MVP、新人王を受賞。昨季は最多勝、最高勝率、最多奪三振の3冠。今季推定年俸2億3000万円。175センチ、84キロ。右投げ左打ち。