西武の是沢涼輔捕手(25)は送りバントを試みた。白球はフェアゾーンに落ちたものの、スピンでファウルに。動揺せず次のサイン…
西武の是沢涼輔捕手(25)は送りバントを試みた。白球はフェアゾーンに落ちたものの、スピンでファウルに。動揺せず次のサインを確かめる。
20日、宮崎・南郷1軍キャンプでのケース打撃。背番号122、育成4年目の是沢の猛アピールも続く。うまくいったり、ミスしたり、またミスしたり。
バント失敗で追い込まれた後、開幕投手を目指す渡辺の直球に食らいつき、右前への安打に。観客の拍手が広がった。「進塁打を狙った結果がああなって、僕の役割としては良かったです。ただ1つ前のバントを決めるのが一番大事なので」と油断などしない。
ケース打撃では一塁を守った。いつものように声でも投手をもり立てた。
「いらっしゃい、いらっしゃい!」
そう声を張りながら打球を待つ。“お店やさん”と勘違いしたのだろうか。三塁側スタンドに座る小さな女の子が「野球の人が『いらっしゃい』って言ってるよ」と感想を口にした。
是沢は「聞こえました。ちょうど静寂の時だったので」と明かし「恥ずかしかったっす」と笑う。
直後、ライナーをダイビングキャッチ。「いらっしゃい」と誘い、言葉通りにこなしてみせた。
有言実行した、とも取れる。ナインが作戦対応に集中しすぎたのか、三塁側スタンドの女の子の突っ込みが一塁是沢に聞こえてしまうほどフィールドが静かだった、とも取れる。
ただ、はい上がらねばならない是沢にとってはそこでさえチャンス。「そういう時に声を出せるのが僕のアピールポイントだと思うので」と言う。
幼少期は吃音(きつおん)に悩んでいた。「大学時代にいつの間にか直って。その頃からですかね、声出してるの」。だから思う。
「いま、こうやって声出せてるのが幸せです」
ただやはり浮かれることはなく「もっと名前を呼んで、周りを巻き込むようにしないと」と自身への課題も口にし「バント、練習してきます」と室内練習場へ向かった。【金子真仁】