沖縄で「長嶋イズム」がよみがえった。1936年2月20日、巨人の故長嶋茂雄終身名誉監督が誕生した日から90年目の節目とな…

沖縄で「長嶋イズム」がよみがえった。1936年2月20日、巨人の故長嶋茂雄終身名誉監督が誕生した日から90年目の節目となった20日、那覇での春季キャンプで阿部慎之助監督(46)がバットを握った。

全体練習後、指揮官自らがノックを務めた特守だった。午後3時過ぎから始まった守備特訓は熱く、熱く、ファンを沸かせる時間になった。「期待してる4人だからこそね、打たせてもらいましたよ」。

二塁手に門脇、浦田、宇都宮、三塁手には石塚。捕れるか捕れないかギリギリの場所に打ち込む。飛び込む。土色に染まる選手たち。好捕にはスタンドから拍手が送られた。

約30分で約300本。門脇と浦田は「楽しかった」と声をそろえ、石塚は「(期待に)応えたい」、宇都宮は「鍛えられました」と感謝した。守備で出場チャンスの若手へ、キャンプ初の特別指導を「サラン」、韓国語で「愛」と言った。

誰もが思い出しただろう。長嶋氏といえばノック。79年オフには、地獄の「伊東キャンプ」で当時若手の篠塚、中畑らを鍛え上げた。還暦だった97年春季キャンプでは、仁志と元木に45分間、342本のノックがワイドショー番組で生中継された。FA移籍してきた落合、清原、江藤らに打ち込み、心を通じ合わせた。

昨年6月3日、栄光の背番号「3」は天国へと旅立った。誰よりも勝利に執念をみせた偉人にささげる2季ぶりのリーグ優勝、14年ぶりの日本一へ、シーズンが迫る。阿部監督は「ミスターが、本当は開幕の時につけていこうと思ってたブローチ」を遺品として受け取ったばかり。「僕が受け継ぐという形でいただけたので、開幕には必ずつけていこうかな」。3月27日、阪神との開幕戦(東京ドーム)。燃える男の魂を身に付け、決戦の始まりへ向かう。【阿部健吾】