先週土曜日の東京5Rにおいて、こんなアナウンスがあった。「13番タイキプレジールの右後肢の蹄鉄が外れましたが、蹄鉄の…

 先週土曜日の東京5Rにおいて、こんなアナウンスがあった。「13番タイキプレジールの右後肢の蹄鉄が外れましたが、蹄鉄の装着ができないためそのまま出走します」とのこと。発走前に蹄鉄を打ち替えるシーンはたびたび目にするが、再装着ができず、いわば“裸足”のまま走るのは珍しい。年間でどのくらいの件数があるのか。またレースの影響は無いのか。気になる疑問をJRAに聞いてみた。

 担当者によると、レース前に落鉄し、再装着できずに出走したケースは、2020年〜25年8月までに11件。平均すると年2件ほどで、やはり珍しい出来事といえそうだ。主に打ち替えができないケースには、嫌がって暴れてしまう場面が考えられる。また、落鉄後のひづめの状態や使用している蹄鉄が特殊(接着蹄鉄など)な場合は、その場で再装着できないことがあるという。

 ファンにとって気になるのは競走への影響だが、JRAによれば「蹄鉄の有無は競走能力に影響しないと考えている」とのこと。理由は「蹄鉄は蹄の保護具であり、“スパイク”のようなものではないこと」「人気と競走成績の関係について蹄鉄の有無による有意差は認められないこと」「蹄鉄の有無が競走能力に及ぼす影響に関する研究においても大きな差は認められないこと」の3点。もちろん、再装着ができない馬について、歩様やひづめの状態を確認して問題がないと判断した場合のみ跣蹄(蹄鉄を装着していない状態)で出走させており、なにか問題があった場合には競走除外としている。

 実際に昨年7月26日の札幌4Rに出走したエピファランドは、パドックで右前肢を落鉄し、再装着できずに出走したが3着。先週末のタイキプレジールも、直線でじわじわ伸びて0.3秒差の4着に入っていた。今後、同様のケースがあった際には、ファンにとって判断材料のひとつになるかもしれない。