WBCでの二刀流継続の道を模索していた大谷(C)Getty Images ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)連…

WBCでの二刀流継続の道を模索していた大谷(C)Getty Images
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)連覇に挑む日本代表。井端弘和監督が率いるチームにあって、小さくないトピックとなったのは、大谷翔平の起用法だ。
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列島を熱狂させた2023年の前回大会では、投打二刀流によって異彩を放ったメガスターだが、今大会は保険審査の対象外となったために「投手」は封印。打者専任で挑むことになった。2023年9月に右肘に二度目の手術を執行し、さらに肩の手術を経て、昨季に復活したばかりという背景を思えば、一刀流しか認められなかったのは必然ではあった。
もっとも、本人も納得しての決断でもある。かねてから投手としての出場に「懐疑的」な立場をとっていたドジャース側との話し合いを進めていく中で、大谷は長期的な野心を最優先に考えていたという。
「ショウヘイとはきちんと腰を据えながら座って話し合った」
そうWBCでの起用法に関する交渉の裏側を語ったのは、アンドリュー・フリードマン編成本部長だ。大谷も信頼を置く敏腕幹部は、米スポーツ専門局『SportsNet LA』などが集まった春季キャンプでの囲み取材で、「ショウヘイは10月まで戦う上で、大きな柱だ」と強調。そして、今回の決断理由を明かした。
「まだ2月だ。全員に対して我々は慎重に物事を進めていく。それにショウヘイは手術明けだった昨シーズンに10月まで投げているし、あれだけ負担を受けてから短期間で(実戦に)戻るということを考えるとね。そして彼自身もこれから8年は投げたいと思っている。それは我々もそうだ。だから、(WBCでの投手断念は)全てを考慮して慎重に判断した結果なんだ」
ドジャースとの7億ドル(約1015億円)の契約が満了となる2033年まで投手として活躍したい――。現球界で「唯一無二」と評される二刀流の未来を想っての決断だった。
当然、葛藤はあったに違いない。フリードマン編成本部長も「彼は競争心が強いから、本心では投げたかったと思う」と思いを巡らせる。一方で理想とは異なる現実的な姿勢は崩さなかった。
「でも、彼はこちらの考えを理解してくれた。本当にいい話し合いだった。去年は手術明けだったから、本当に慎重になった。すべてのことを計画的に進めていた。今年はそこまでではないが、もちろん意識はする。
それに彼が背負う負荷は本当に大きいんだ。しかも他のどの選手たちとも種類の違う負荷だ。だから基本的に“状態を見て、対処する”。それに尽きるんだ。ここから3月まではスローイングプログラムを続けて、しっかりと投球数を重ねながら、腕の状態を整えさせる。そこから先は様子を見ながら進めるしかない」
おそらく野球ファンとしては、至高の舞台で大谷が投打二刀流をし、世界の強打者たちと対峙する場面を見たいと願うもの。しかし、「去年とは確実に違うアプローチが必要」(フリードマン編成本部長談)という変化の1年を前に無理は禁物。やはりWBCでの打者専任は不可避だったと言えよう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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