(18日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉スノーボード女子スロープスタイル決勝) 勝機は、細部に宿る。 「細…

 (18日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉スノーボード女子スロープスタイル決勝)

 勝機は、細部に宿る。

 「細かいところまでしっかり滑りきれた」

 金メダルを手にし、深田茉莉(ヤマゼン)は誇らしげにほほ笑んだ。

 スロープスタイルは、障害物を攻略しながら滑り降りていく。コース終盤のジャンプ台で繰り広げられる空中技は華やかだ。

 だが、メダルの色を分けたのは、スタート直後に待ち受ける「ジブ」と呼ばれる手すり形の障害物への適応力だった。

 一見地味。ただ、この3本続くレールを深田は攻略した。

 決勝3回目はそつなく滑りきり、3本合計で24.50点。自身の1、2回目に次ぐ全体3番目の高得点だった。後半三つのジャンプの得点は2位のニュージーランド選手、3位の村瀬心椛(ここも)に及ばなかったが、総合力で上回った。

 五輪初出場で頂点に立った19歳は、「信じられない。頭の中が真っ白になった」。

 周到な準備があった。レールの長さや太さは大会によって違う。五輪直前の中国合宿で、様々な種類のレールを滑る練習を繰り返した。

 この五輪中も公開練習だけでは物足りず、近くのスキー場で一般客に交じってレールを滑り、感覚を研ぎ澄ませた。

 自他共に認める「完璧主義者」だ。体の向きや姿勢、板の角度や着地の正確さなど、自身が納得するまで徹底した。

 「悔しくていっぱい泣いたけど、あきらめずにやってきてよかった」

 予選7位からの逆転劇。隅々まで妥協しない、深田らしい金メダルだった。(山口裕起)