(18日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉スノーボード女子スロープスタイル) 深田茉莉の顔に笑みが広がった。…
(18日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉スノーボード女子スロープスタイル)
深田茉莉の顔に笑みが広がった。
決勝2回目。斜面に設けられた手すり形の障害物を滑り終えた後の、最初のジャンプだった。通常とは逆の足を前にして背中側に踏み切る。
横に2回転半する技「スイッチバック900」。これが決まると、一気に勢いに乗った。残り二つのジャンプも高く舞って、両手をぽんっとたたいた。
最初のジャンプが鬼門だった。着地で失敗した1回目より、1回転少なくしたことが奏功した。無理はしない。「背伸びせずに、自分らしく滑りきる」と話していた19歳の戦略が光った。85.70点。1回目の9位から逆転でトップに躍り出た。
重圧から解放されると最終3回目は一転、攻めた。そのジャンプを3回転半に戻し、きっちり決めてみせた。87.83点に得点を伸ばし、突き放した。
愛知県出身で3歳からゲレンデに出た。スノーボードを始めたのは小学1年生から。性格は「恥ずかしがり屋で内気」。だが、胸の内には闘志がたぎる。9日前のビッグエアは9位に沈み、金メダルを獲得した村瀬心椛(ここも)らの表彰式の陰で大粒の涙を流した。「スロープスタイルでやり返したい」
初出場で頂点に立ち、今度は泣き笑いだ。「信じられない」。日本のスノボ勢のメダルラッシュに沸いた大会。伸び盛りの新星が華麗に締めた。(山口裕起)