◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽スピードスケート(17日、ミラノ・スピードスケート競技場) 女子団体追い抜きで堀川桃香(22…

◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽スピードスケート(17日、ミラノ・スピードスケート競技場)

 女子団体追い抜きで堀川桃香(22)=富士急=がオランダと大接戦となった準決勝までの2レースを任され、自身初となる銅メダルを獲得した。母・智子さん(52)がこの種目に懸けた思いの強さを証言した。

 堀川は前回北京大会の5000メートルが五輪初出場だった。当時は18歳の高校生。北海道・大樹町で酪農を営む実家が大好きで、海外遠征中も毎日のように電話がかかってきた。五輪後も家族の距離感はしばらく変わらなかったが、この1年で「びっくりするぐらい大人になった」と目を細める。

 最初の転機は「チーム・ゴールド」への加入だ。高木が中心となって発足し、佐藤らが加わった2季前。堀川も誘いを受けたが辞退していたという。「行った方がいいのは分かっているけど自信がない」と話す姿に、母も「遠征続きで家に帰れない不安もあったと思う。これは無理だなと」。選択を尊重して1年が過ぎた昨春。堀川が「パシュートで金メダルを取りたい。そのために一緒に練習したい」と決意を伝えてきた。今度は誘いがあったわけではなかったが、自ら売り込んで加入が実現した。

 もう一つは今季のW杯第4戦だった。以前と打って変わって海外遠征中も連絡が来なくなり、大会前に心配して電話すると「五輪に出られないかもしれないって。今までにないぐらい落ち込んでいた」という。

 第1戦でメンバーに入って優勝した野明が台頭する一方、自身は個人種目でも苦しんでいた。少しでも気持ちを楽にさせようと「第4戦も野明さんに代わってもらったら?」と投げかけると、「いや。ここは行かなきゃダメなんだ」と返ってきた。想定外だったという答えを聞いた母は「強くなったな。もう大丈夫だなと思いました」。出場したレースは3位で復調のきっかけをつかんだ。覚悟を決めた2つの選択がメダルにつながった。(林 直史)