<4年生たちが歩むそれぞれの道>今春卒業を迎える大学野球経験者の進路を紹介する「4年生たちが歩むそれぞれの道」第2回は、…
<4年生たちが歩むそれぞれの道>
今春卒業を迎える大学野球経験者の進路を紹介する「4年生たちが歩むそれぞれの道」第2回は、野球に一区切りを付け大手広告会社に入社予定の早大・清宮福太郎外野手(22)と、トヨタ自動車で野球継続予定の東海大・柳元珍(リュ・ゲンジン)捕手(22)。
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大手広告会社に就職予定の早大・清宮は、次なる舞台で果たしたい夢がある。自分が関わった仕事で「ブーム」を起こすことだ。
「新しい趣味や人間関係ができるようなコンテンツやブームがあることで人々の生活が豊かになる」と思い、多方面のアプローチから世の中に大きなインパクトを与えられる広告業界に飛び込む。内定先は知る人ぞ知る大手企業。その一員となり、目に焼きつく19年日本で行われたラグビーのW杯のような体験の再現を狙う。
「大会をきっかけに多くの人がラグビーの試合を見るようになり、選手の名前も知るようになりました。自分がもともと知っていたスポーツを周りのみんなが急に見始めたり知ってくれたことが一番印象的で、人々の価値観や興味の方向性を決めるきっかけに関わる仕事っていいなと思いました」。特定のスポーツ分野にこだわらず「全く新しい競技やコンテンツでも、何かが一段階上に行けるような起爆剤になるようなイベントや仕組みを仕掛けていきたい」。
ラグビー界のレジェンドの父克幸氏とプロ野球で活躍する兄を持ち、幼い頃から常に注目されてきた。早大では結果が出ず3年次まで1度もベンチに入れなかった。3年夏キャンプでAチームに入れず野球を辞めようとしたこともあった。4年で試合に絡めるようになり、秋の早慶戦で念願のリーグ戦初安打。目に大粒の涙をためながらベンチで見守る同級生たちの姿は今もありありと覚えている。「打球としては思うようなものではなかったですが、自分にとっては一番きれいな打席でした」。
野球をやる以上避けては通れない「清宮幸太郎の弟」という称号にプレッシャーを浴びてきたが「簡単には諦められない立場になったのも清宮幸太郎の弟だから。弟として野球やる経験は自分しかできない。その意味はあったと思う。こういう取材を受けるのも兄がいたから、それは高校生の時や中学生の時からもそうなんです。取り上げてほしくても取り上げてもらえない人が世の中にいっぱいいるって考えたら、やっぱりそれは幸せなこと。『清宮幸太郎の弟』として野球はやりきれたと思います」。
草野球はやる予定だが、本格的に野球をやるのは大学で最後。春からは新社会人として羽ばたく。「5年、10年で自分のやりたいことができるとは思ってないです。社会人としてやらなきゃいけないことをやっていった時、いつか関わることができたら」。敏腕サラリーマンとなる日が待ち遠しい。【平山連】
◆清宮福太郎(きよみや・ふくたろう) 2003年(平15)7月3日生まれ、東京都出身。東京北砂リトル-調布シニア-早実を経て、早大では25年春リーグ戦デビュー。通算6試合に出場し、6打数1安打。182センチ、98キロ。右投げ右打ち。