<ミラノ・コルティナオリンピック(五輪):距離>◇女子団体スプリント・フリー予選◇18日◇テーゼロ距離競技場【ミラノ=木…

<ミラノ・コルティナオリンピック(五輪):距離>◇女子団体スプリント・フリー予選◇18日◇テーゼロ距離競技場

【ミラノ=木下淳】イタリア北東部テーゼロで、当地の午前9時45分(日本時間午後5時45分)から始まった距離(スキー・クロスカントリー)の会場に大型犬が乱入した問題で、近接した選手の反応や犬種、飼い主の身元や発言、大捕物の一部始終が明らかになった。

銅メダルを獲得したドイツの同系列紙、ヴェルトとビルトが伝えた。ビルトは「クロスカントリースキーで恐怖!」の見出しで「五輪が動物によって大混乱。驚くべきことに、その野良犬はゴール直前でギリシャとクロアチアの選手と競り合った」と報道した。

実際、しっぽを振って、その2人を追う姿が国際映像にとらえられていた。全26チームが出場した女子団体スプリントのフリー予選終盤、大型犬はコース脇から入り込むと、まず19位クロアチアのテナ・ハジッチ(21)を追ってゴール。「入線」時の瞬間も見事に撮影され、SNSでは早くもグッズ化を望む投稿が上がったほどだった。

その後も奔放で、今度は最下位ギリシャのコンスタンティナ・ハララビドゥ(23)に続く“27位”でゴールした。

レース後、ハジッチが記者団の取材に応じ「最初は激しいレースのせいで、自分が幻覚を見ているのかと思った」と打ち明けた。しかし現実で「とても大きな犬で、横を通り過ぎる時、かまれるんじゃ…と怖かった」と語った。

ハララビドゥも「幸い“オオカミ”は、とてもおとなしかった。ゴール直前でカメラを追いかけていて、かわいらしく、レースの妨げにもなっていなかった。面白かったわ。おかげでレースがうまくいかなかったこと(最下位)を忘れられた。おかげで有名にもなったので、感謝しないといけないわ」と、反応は選手それぞれだった。

その後、国際スキー・スノーボード連盟(FIS)のコース運営責任者が捕獲した。そこで「野生の犬ではなかった」こと判明。シベリアンハスキーに見えた大型犬には「ナズグル」という名前があり、実際の犬種はチェコスロバキア・ウルフドッグ。2歳だった。

競技場の近隣に住む住民が飼い主で、この日は犬を1匹だけにしていた。匿名を条件に取材にも応じたといい「彼(犬)は、いつも人を探しているんだ。頑固だけど、とても優しい犬だよ」と語ったという。

ビルト紙は「面白い出来事ではあったものの、全く危険がなかったわけではない」と指摘。恐怖を味わったハジッチは「コースに侵入したこと自体、良くないわ。私はメダルを争っていたわけではないから、大したことではなかったけど、もしメダルが懸かっている決勝でも、同じことが起きたら…。危険で大変な事態になりかねない」と怒っていた。

予選は1位のスウェーデンにフィンランド、カナダが続き、中国までの上位15チームが決勝に進出。スウェーデンが金メダルを獲得し、スイスが銀、ドイツが銅だった。

犬の乱入を巡っては今年1月2日、日本で行われた第102回箱根駅伝の往路にも小型犬が乱入し、騒動になった。3区を国学院大の野中恒亨(3年)が、あわや接触。「ポメラニア~ンジャーンプ」と、交錯した犬を避ける写真をインスタグラムに投稿した。

当時、日刊スポーツの取材に対して「犬に罪はない」。かわした影響で足がつってしまったことも明かしつつ、潔く言い訳にはしなかった。一方で、飼い主の責任が議論を呼んでいた。