(17日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉フィギュアスケート女子) 好演に沸き立つミラノの観衆の中に、家族を…
(17日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉フィギュアスケート女子)
好演に沸き立つミラノの観衆の中に、家族を見つけた。「中井亜美がんばれ」という手作りの旗で応援してくれていた。
両手で大きくハートを作って、破顔した。
演技冒頭、トリプルアクセル(3回転半)に成功した。五輪で決めるのは日本女子では伊藤みどり、浅田真央、今季を最後に引退する2022年北京五輪団体銀メダルの樋口新葉(わかば)に続く4人目。
「幅(飛距離)も流れも高さもあって好き」と、目標にしてきた樋口のようなジャンプだった。
「ピエロを演じるのがテーマ」というプログラムを、楽しそうに、時にコミカルに滑りきった。
昨年10月、フランスの大会でシニアのグランプリ(GP)シリーズデビューを果たした。緊張に包まれる中井に声をかけてくれたのは、今季限りで競技を退く坂本花織だった。
「りくりゅう」こと三浦璃来、木原龍一組の振り付けを一緒にまねるなど、リラックスさせてくれた。
その大会で坂本を破って優勝。中井を指導する中庭健介コーチは「高校生に負けて悔しかったはず。でも、坂本さんはその後も全く変わらず優しい」と感謝する。
シニア1年目での五輪は、8年前の坂本花織と同じ。開幕前、坂本は「持ってきた方がいいものメモ」を送ってくれたという。現地に着くとハグで迎えてくれ、「安心感があった」。
その坂本を小差で上回っての首位発進。「メダルはもちろん欲しいけれど、そこまで結果重視で五輪に来てるわけじゃない。どれだけ楽しめるか」。
大舞台でも天真らんまん。明るさ際立つ17歳の勢いがすさまじい。(内田快)