南野拓実(モナコ)、久保建英(レアル・ソシエダ)、そして遠藤航(リバプール)......ケガにより離脱する選手が相次い…

 南野拓実(モナコ)、久保建英(レアル・ソシエダ)、そして遠藤航(リバプール)......ケガにより離脱する選手が相次いでいる日本代表。だが日本だけではない。2026年北中米ワールドカップの開幕まであと4カ月。しかし、残念ながら出場が危ぶまれる選手のリストは増えている。

 なかでも一番深刻な状況にあるのはスペインだ。現時点では代表候補のうち5人が大会をあきらめなければいけない可能性がある。



サンダーランド戦で負傷し、担架で運ばれる遠藤航(リバプール) photo by PA Images/AFLO

 まずはMFロドリ(マンチェスター・シティ)とDFダニ・カルバハル(レアル・マドリード)。両者とも十字靭帯再建のための大手術を受けた。この手術の回復期間は通常7カ月から9カ月程度と言われている。ロドリはゆっくりとだが回復に向かっており、徐々にトレーニングも再開しようとしているが、検査の結果、運動能力はまだ以前に比べればかなり低いことがわかった。

 一方、レアル・マドリードのキャプテンでもあるカルバハルは回復が遅れている。スペイン代表のドクターたちは、彼の状態は「理想的なものからはほど遠い」と述べている。クラブでは、ベンチには入ったもののプレーできないことが多く、本人も苛立ちが隠せない。最近ではフィジカルコーチと言い争いをしているシーンがカメラにとらえられた。

 さらにスペイン代表は、アーセナルのMFミケル・メリーノが右足を疲労骨折。負傷部位に外科用スクリューを挿入する手術を受け、復帰は5月とされているが、ワールドカップまでに調子を取り戻せるかどうかは不明だ。

 また、FWニコ・ウィリアムズ(アスレティック・ビルバオ)は慢性的な鼠径部の痛みに悩まされている。試合には出ているが、痛みのために持ち味であるスピードあるスプリントを見せることができず、プレーの質は低下している。このまま痛みが続くようなら手術も必要であるとチームドクターたちは考えているようで、そうなれば数カ月は欠場をすることになるだろう。

 そしてレアル・マドリードの20歳のDFディーン・ハイセン。オランダ生まれで、U-19まではオランダ代表としてプレーしたが、U-21からスペイン代表を選び、2025年3月、ネーションズリーグでスペイン代表デビューを果たした。若手の期待の星だが、ここまでの代表戦出場は6試合にとどまる。慢性的な筋肉のトラブルに悩まされており、レアル・マドリードでもなかなか継続してプレーすることができない。チームドクターは今後の継続的な出場がなければ「ワールドカップ出場は難しい」と述べている。

【イングランド代表もケガ人が多数】

 クロアチアではDFのヨシュコ・グヴァルディオル(マンチェスター・シティ)が困難な状況に置かれている。2026年1月のチェルシー戦で右脚の脛骨を骨折。診断書には「少なくとも4カ月間の完全休養が必要」と記されていて、これはグヴァルディオルがクラブでのシーズンを終え、ワールドカップの直前にようやく走り始めることを意味する。クロアチアには彼に匹敵する代役がいない。ズラトコ・ダリッチ監督はかなり心配している。

 イングランドにも負傷者は多い。トーマス・トゥヘル監督はすでにDFのレヴィ・コルウィル(チェルシー)を失っている。コルウィルはクラブの夏季トレーニング中に十字靭帯を断裂。そのため2025年7月以降、公式戦には一切出場していない。リハビリは長期に及んでおり、復帰は2026~27シーズンからと予想され、トゥヘル監督は代表への招集をあきらめた。 

 また、トッテナムのMFジェームズ・マディソンは、韓国で行なったニューカッスルとのプレシーズンマッチで右膝前十字靭帯を断裂。手術後はシーズン中の復帰を目指して、膝の安定性を取り戻し、筋肉を再構築するリハビリを熱心に行なった。その結果、今年1月にはボールを使ったトレーニングを再開するまでになったが、復帰時期は不明。ワールドカップでプレーできるかどうかははなはだ疑問だ。

 イングランドのケガ人リストにFWのジャック・グリーリッシュも加わった。マンチェスター・シティからエヴァートンに移籍後も活躍を見せていたが、1月に疲労骨折。これによりほぼ確実に代表メンバーから外れることになるだろう。

 攻撃の中心、ジュード・ベリンガム(レアル・マドリード)は2月に入って新たな筋肉の損傷を負ってしまった。試合中に彼は突然左足の太ももの後ろを押さえ転倒し、そのまま交代となった。1カ月で復帰できるとの声もあるが、彼は1年足らずの間に左足を3度も負傷している。慎重になる必要があるだろう。

【シュテーゲン、デ・ブライネ、ミリトン...】

 オランダでは、FWジャスティン・クライファート(ボーンマス)がアーセナル戦で負傷した後、膝の手術を受けた。医師によると、彼は4月末に復帰する予定だが、ワールドカップにおいて90分戦い抜くためのコンディションを取り戻すには、数週間しか残されていない。現在、彼は赤外線治療とハーブなどを使った自然治療を行なっている。

 ドイツでは守護神がピンチだ。ドイツ代表正GKを目指して、出場機会を増やすためにバルセロナからジローナにレンタル移籍したマルク=アンドレ・テア・シュテーゲンだが、ハムストリングを負傷してしまった。手術を受けたが、6月に間に合わせるのは難しいという。

 ベルギーでは攻撃の中心、ケヴィン・デ・ブライネ(ナポリ)が大腿二頭筋を負傷した。復帰は2月下旬から3月上旬とされ、ワールドカップには十分間に合う計算だが、彼は同じケガを繰り返しており、再発の可能性が高いと言われている。

 アルゼンチンでは、DFのフアン・フォイス(ビジャレアル)が1月末にアキレス腱断裂の重傷を負った。回復には通常6カ月から8カ月が必要とされ、出場は難しいだろう。

 メキシコでは、自国開催のワールドカップの主力FWとして期待されているサンティアゴ・ヒメネス(ミラン)が足首のケガでピンチだ。ハビエル・アギーレ監督からも強い信頼を寄せられており、何がなんでも間に合わせたいと、早期復帰を目指してリハビリに余念がない。

 ブラジルで懸念されているのはDFのエデル・ミリトンだ。12月、左太腿の筋肉を断裂するケガを負った。過去3シーズン、ミリトンはさまざまなケガを繰り返しており、彼の体はレアル・マドリードの過酷な日程に耐えられないのではないかと言われている。現在は患部にクライオセラピー(冷却療法)なども行ない、医師は4月末には復帰できるとしている。だが、代表チームが招集される時期に彼の体調が回復しているかどうかについては疑問が残る。

 そしてネイマール。ネイマールは1年前にサントスに戻ってきたが、昨年末に起こした左膝の半月板の損傷で手術を余儀なくされた。ただし、できるだけ早く復活するため生物学的なテクノロジーを使った治癒の促進を実施している。数日前にボールを使わず、ゆっくりとトレーニングを再開したばかりだ。

 いつプレーができるのか、まったく見通しは立っていないが、彼はリハビリに全力を尽くすことをカルロ・アンチェロッティ監督と約束している。ワールドカップに出場するためには何でもするつもりだ。

 ただし、他の負傷者たちよりもネイマールに残された時間は限られている。ブラジルは3月にフランス、クロアチアと親善試合を行なうが、もしここに招集されなければ、ネイマールにとってのワールドカップは絶望的だと言われている。