◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽フィギュアスケート 女子ショートプログラム(17日、ミラノ・アイススケートアリーナ) 【ミラ…

◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽フィギュアスケート 女子ショートプログラム(17日、ミラノ・アイススケートアリーナ)

 【ミラノ(イタリア)17日=大谷翔太】女子ショートプログラム(SP)が行われ、前回の北京五輪銅メダリストで今季限りでの引退を表明している坂本花織(シスメックス)は77・23点で2位発進。「タイム・トウ・セイ・グッバイ」を、思いを込め演じ上げた。冒頭の3回転ルッツ、続く2回転半、フリップ―トウループの連続3回転をすべて着氷。重圧に打ち勝ち、両手でガッツポーズを作った。

 坂本にとって、最後の五輪の個人戦が始まった。今季限りでの現役引退を表明し、迎えた3回目の五輪。今大会は団体でSP、フリーに出場。共にライバルの米国勢に勝ち、1位をとって日本の銀メダル獲得に大きく貢献した。自身の演技がない時であれば応援席に足を運び、声を枯らした。チームの先導役として、フィギュア最終種目の女子シングルに臨んだ。

 自分との戦いだった。日本は団体で男女、ペアと好成績。だが個人戦になると、男子の鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)、佐藤駿(エームサービス・明大)の演技でミスが出た。16日のペアSPでは三浦璃来、木原龍一(木下グループ)組がリフトのミスでまさかの5位発進。ペアフリーの前の取材では「緊張とかプレッシャーでもなくて。恐怖。怖すぎて、正直、毎日泣いている」と、五輪の“魔物”への恐怖を涙ながらに語っていた。

 不安を払拭したのは、取材直後のペアフリー。「りくりゅう」が、世界歴代最高得点を更新する会心の演技で、大逆転優勝を果たした。声援を送った坂本も、涙を流しながら喜びを共有した。一夜明けたこの日の公式練習では、曲をかけた練習でノーミスの調整。終了後には客席に向かって笑顔で応え、メディア席にはサムズアップするなど、前日とは一変した様子で本番に備えていた。

 SPの演技を終えると「今日は緊張がありながらも、すごく楽しんで滑ることができた。満足度は高かった。この大きな舞台でしっかりショートは自分の演技が90%くらいできたので、そこは自分自身をほめてあげたい。りくりゅうの金メダルを見て、それが一番大きな刺激。不安や恐怖を感じていたが、諦めずにやればメダルを取れるって証明してくれた。ここで最後、諦めずにやるしかないという気持ちでショートに臨んだ」と振り返った。

 2018年平昌五輪からデビューし、22年北京五輪では日本女子3人目のメダルとなる3位。集大成の今大会は、シングルでは初めて団体と個人のSP、フリーを滑るフル回転の活躍となる。2大会連続メダルなら、男子の鍵山に続いて通算4個目。日本フィギュアでは、最多に並ぶ偉業となる。日本女子では06年トリノ大会の荒川静香以来の金メダルを目指し、19日(日本時間20日)のフリーに挑む。