◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽スピードスケート(17日、ミラノ・スピードスケート競技場) 女子団体追い抜き3位決定戦が行わ…
◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽スピードスケート(17日、ミラノ・スピードスケート競技場)
女子団体追い抜き3位決定戦が行われ、日本(高木美帆、野明花菜、佐藤綾乃)は2分58秒50で米国に勝利し、銅メダルを獲得した。同種目は3大会連続のメダル獲得となった。高木美帆(TOKIOインカラミ)にとっては今大会3個目の銅メダルで、自身の持つ日本女子最多の五輪通算メダル記録をさらに更新し10個(金2、銀4、銅4)と、夏冬通じ日本勢4人目の2ケタメダリストとなった。高木は「準決勝から気持ちをすぐ切り替えて、決勝に挑めた結果の銅メダル。すごく誇らしく思っています」と振り返った。
佐藤綾乃(ANA)は3大会連続3個目のメダル(金1、銀1、銅1)、1回戦と準決勝を滑った堀川桃香(富士急)と、3決を滑った野明花菜(立大)にとっては五輪初メダルとなった。日本勢は今大会19個目のメダルとなり、日本の冬季五輪最多メダルを更新した。ゴールの瞬間、高木はガッツポーズを決めた。
準々決勝は順当に通過。だが、2位という順位には滑った3人全員が納得していなかった。ラスト1周でスケーティングが大きく乱れた高木は「1位通過をしたいと思っていたが、それがかなわなかったことには、私の最後の動きの乱れだったり、スピードを落としすぎてしまったところが響いている。スタートや出だしは完璧に入ることができたが、悔しい気持ちがある」と話していた。
高木の滑りが乱れた要因にはプッシュのミスもあった。直線で2回ほど2番手の佐藤と最後尾の堀川のブレード(刃)が接触。そこからリズムが合わなくなり、プッシュが思うようにいかず。結果として高木の負担を減らすことができない状況で風を受け続けながら滑ることとなり、ラスト1周で1位通過のカナダに逆転を許していた。
強豪オランダと対戦した準決勝。準々決勝と同じ3人で臨み決勝進出を目指した。序盤は日本がスピードを生かしてリードを奪った。3周目手前でオランダにリードを許したが、終盤、ラスト1周に入ったところで日本が0秒10のリードを奪った。だが、ラスト半周。3大会ぶりの金メダルを狙うオランダが粘りを見せ、わずか0秒11差で屈した。
2大会ぶりの金メダル奪還を目指した今大会。過去大会と違うのは高木、佐藤、堀川の3人はともに「チーム・ゴールド」のメンバーとして普段からともに練習を行っていること。最低でも週に2度は必ず団体追い抜きの練習に取り組んできた。今年1月には野明を含めて長野、ドイツの直前合宿でより多くの時間を割き、金メダル獲得を見据えてきた。
今季限りで「チーム・ゴールド」は解散する。チームとして集大成を迎える今大会だった。大黒柱の高木は今大会既に2つのメダルを獲得。だが、いずれも銅という結果には悔しさをのぞかせており、1500メートルと合わせて「(残り)2種目、金メダルを取りにいく」と力強く宣言していた。W杯帰国後には同種目について、「非常に厳しい戦いになるとは思うが、おのおのができることを最大限発揮することができれば、世界のトップに立つことは不可能ではない」と世界との距離感を語ってきた。
佐藤は今大会限りで五輪引退を示唆。「スケート人生を変えてくれた種目」と話し、18年平昌大会の金メダル獲得は、競技人生において大きな出来事だった。「あのメンバーとして参加しなければ、絶対にここまで来ていない。そこまでスケートに対する気持ちも強くならなかった。パシュートをやっていたから、個人種目も伸びたと思う」と話しており、金メダルへの思いは人一倍強かった。
堀川は18年平昌大会で同種目が金メダルを獲得する瞬間を生で見た。「本当に感動した。スポーツを通して人を勇気づけられるんだと知った。自分もその思いを応援してくれる人に届けたい」と強い気持ちを持って今大会に臨んでいた。持ち前のスタミナを武器に最後尾を務め、縁の下の力持ちとしてチームを支えた。
野明は今季途中から3人とともに練習を行うようになった。当初は「自分なんかが…」と自信がない状態で滑っていたが、W杯第1戦で優勝。元五輪選手だった両親から受け継いだスケーティング技術を味方に、成長していった。今大会に向けては「今までで一番いい滑りがしたい。金メダルが取れたらうれしい」と話していた。1月にはスランプに陥ったが、高木からのアドバイスで復調。カギを握る4人目として起用され、野明家にとって初の五輪メダルをもたらした。
◆チーム・ゴールド ミラノ五輪での金メダル獲得を目指し、23年5月に高木が発足した。北京五輪後にナショナルチームを離れたデビットコーチから、指導を受け続けたいとの思いから発足。今季限りの解散が決定済みで、今大会がチームとしての集大成の場となる。メンバーは所属、国籍関係なく7人。日本勢は高木、佐藤、堀川、野々村太陽(博慈会)、土屋陸(白銅)の5人。ほかに中国勢2人がおり、今大会男子1000メートル銅の寧忠岩と韓梅が一緒に練習を行う。