午前11時を過ぎても、メイン球場には誰もいない。選手やチームスタッフは、歩いて10分ほど離れた室内練習場に集まっていた…
午前11時を過ぎても、メイン球場には誰もいない。選手やチームスタッフは、歩いて10分ほど離れた室内練習場に集まっていた。内野手を中心に、サインプレーの確認をするためだった。
普段は一緒にプレーしていない選手たちの集まりだ。意思疎通の欠如や、ひとつのミスで、試合の流れを失いかねない。逆に、劣勢を覆すファインプレーの可能性も秘める。そんな繊細さが求められる練習はもちろん、非公開。人気のないグラウンドが、逆に緊張感を漂わせた。
「(練習内容は)言えないですよ」。当然、井端弘和監督もそこについては貝になった。だが、今大会から使用されるピッチコム(バッテリー間のサイン交換などを行う通信機器)への対応には時間を割いたようだ。走者が出れば、内野手も牽制(けんせい)などで関わってくる。前回出場した源田壮亮も初体験になるが、それでも「ここ一番で(サインプレーを)決めたいですね」。手応えは感じたようだ。
情報への対応も動き出した。対戦が決まっている相手のデータを早めに把握するようダルビッシュ有が提案し、この日の朝までに共有された。具体的な打者を想定した細かい対策が、バッテリーを中心に始まった。
「ここからは、キャンプじゃありません」。第1クールの練習後、松田宣浩野手・総合コーチは言った。第2クールに入り、本番をにらんだ「侍ジャパン」の戦闘モードが、一気に高まった。(山田佳毅)