NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26ディビジョン1 第8節(交流戦…
NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第8節(交流戦)
2026年2月15日(日)14:30 秩父宮ラグビー場 (東京都)
東芝ブレイブルーパス東京 33-34 コベルコ神戸スティーラーズ
母国でのRWC出場という夢。苦節10年で見えてきた桜のジャージー

2月2日に発表された日本代表候補に名を連ねた東芝ブレイブルーパス東京のマイケル・ストーバーグ選手
東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)は2月15日、秩父宮ラグビー場でコベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)に33対34と競り負け、2連敗を喫した。
前半27分までに0対20と劣勢に立たされながら、後半36分にトライを決めて、コンバージョンキックが入れば逆転……という状況まで持ち込んだBL東京。試合後の会見でトッド・ブラックアダー ヘッドコーチは「自分たちのラグビーや、プレーへの自信を失うことなく戦ったので、自信を失くすようなものではない」と振り返った。
反撃の立役者となった一人がマイケル・ストーバーグだ。身長202cm、体重116kgの熱血漢は、これまでの試合と同じように大きな声でチームを鼓舞し、エナジーをもたらした。
後半19分には長い腕を生かして、相手ボールをインターセプト。そこから一気に60mを走り切ってトライを奪い、ボールを叩きつけて吠えた。
33歳のベテランは喜びの表現について「ちょっとやり過ぎかな」と笑顔を浮かべつつ、「ラインアウトでアフ・オフィナが競ってくれて、相手のデリバリーを少しだけ遅らせてくれたおかげです」と、チームメートを称えた。
今季からチームに加入したとは思えないほど、欠かせない存在になっているストーバーグ。2連覇を支えたワーナー・ディアンズが海外挑戦に向かい、シャノン・フリゼルが離脱している中で、その存在感は際立っている。
「BL東京というクラブは『このチームのためにプレーしたい』と思わせてくれますし、チームメートたちは『一緒にプレーしたい』と思わせてくれます。いまは複数のけが人がいて、痛みを抱えながら試合に出ている選手もいる状況ですが、最後まで戦い続ける姿勢を見せられたのは、BL東京というチームのタフさを表しています」
2月2日に発表された日本代表候補に、ストーバーグの名が記されていた。2016年に来日も、代表規定の変更や、コロナ禍の影響も受けて代表資格取得に時間が掛かったが、ついに目の前に桜のジャージーが見えてきたのだ。
「日本代表候補に自分の名前が含まれていたことを誇らしく思っています。日本に来たときから、隠さずに代表を目指してきたので、一歩近づけてうれしいです。来年のラグビーワールドカップは母国(オーストラリア)で開催されるので、そこで日本を代表して出場できたらすごく名誉で、自分のキャリアでも大きなゴールの一つになります。ただ、まずはBL東京で毎週しっかりとしたプレーをすることが大事です」
ラグビーは勝つこともあれば負けることもあり、自分にはコントロールできないこともたくさんある。それでも、ストーバーグは前進を続けてきた。愚直に目の前のプレーに全力を注ぐことが、遠くに思えた夢を一歩ずつ、力強く、引き寄せている。
(安実剛士)
東芝ブレイブルーパス東京
東芝ブレイブルーパス東京のトッド・ブラックアダー ヘッドコーチ(右)、リーチ マイケル キャプテン
東芝ブレイブルーパス東京
トッド・ブラックアダー ヘッドコーチ
「素晴らしいラグビーの試合でした。観客のみなさんも楽しまれたのではないかと思います。自分たちは試合の入りがうまくいかず、コベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)さんに素晴らしいスタートを切られましたが、最後まで戦うことをやめずにプレーできました。終盤に追い上げることができて、力をある程度示せたとも思います。前半はプレッシャーを受けて、プレーの遂行力や精度が乱れました。ただ、自分たちのラグビーや、プレーへの自信を失うことなく戦ったので、自信を失くすようなものではありません」
──神戸Sのキックパスからトライを2本奪われましたが、外側の準備が足りなかったのでしょうか。
「2本のトライともに、すごく良いキックと遂行力でした。2個目のトライは松永拓朗が足をつっていることでスペースができてしまい、神戸Sさんはスマートな判断をしました。『もっとこうしてくれていれば……』というのはありません。拓朗がダウンしたときに、『レフリーに時計を止めてもらうことはできたか?』という点も、いまはクリアには分かっていないので」
東芝ブレイブルーパス東京
リーチ マイケル キャプテン
「たくさんの両チームのファン、ラグビーファンが秩父宮ラグビー場に来てくれて感謝しています。ファンの方からすれば、良い試合だったと思います。長いシーズンの途中ですが、2連敗してしまいました。連敗には同じような原因があるので、この二つの負けから何を学んで何を生かせるか、この経験をどう生かすかが後半のカギになると思います。試合では、自分たちにプレッシャーを掛けてしまい、遂行できない部分がありました。もう一回、準備の段階から見直して、やり切りたいと考えています」
──先週の敗戦を受けて、この1週間はどのような準備をしてきましたか。
「遂行するところを意識して、神戸S戦に臨みました。前半は7対20で終わってしまいましたが、焦らずに自分たちがどうすれば修正できるか、ポジティブに受け止めていました。この2試合の共通点は遂行力の部分だと思っています。来週はショートウィークなので、よりシンプルに、より明確にしていきたいです。(次節の相手・)トヨタヴェルブリッツも埼玉パナソニックワイルドナイツに20対26と良い試合をして、状態を上げてきているので、修正して自分たちらしく戦いたいです」
コベルコ神戸スティーラーズ
コベルコ神戸スティーラーズのデイブ・レニー ディレクターオブラグビー/ヘッドコーチ(右)、アーディ・サベア選手
コベルコ神戸スティーラーズ
デイブ・レニー ディレクターオブラグビー/ヘッドコーチ
「勝ち切ることができてハッピーです。素晴らしいチームが相手なので、今日も流れが腕相撲のように行ったり来たりする展開になると思っていました。前半は本当に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれて、ハーフタイムの時点でもっと点差をつけられるような出来でした。ただ、東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)さんは素晴らしいチームなので、絶対に巻き返してくるとも思っていました。終盤にシンビンで13人になり、若い選手も出ていましたが、戦う姿勢を見せて、立ち上がってファイトした姿勢を称えたいと思います。これからのシーズンを戦っていく上でも、あれだけのプレッシャーの中で戦い抜くことができたのはチームにとってプラスになります」
──上ノ坊駿介選手を起用している狙いと、伸ばしてほしいところはありますか。
「知識はまだ成長させないといけません。スキルはすでに非凡なものを持っています。前半に松永貫汰と同じスペースに走ったことで、トライできなかったシーンがありました。そうしたことは、神戸Sで学んでほしいと思います。良い選手で、良い人間ですが、メディアが高い期待値を与えないでほしいと考えています。まだまだ、地に足を着けて頑張ろうとしている段階なので。彼の将来は自分たちも楽しみですが、ハードワークをしながら、学びながら、成長してほしいと思っています」
コベルコ神戸スティーラーズ
アーディ・サベア選手
「試合は良いスタートが切れて、自分たちがやりたい内容を丁寧に遂行することができました。後半は自分たちの精度の部分を修正しようとして、できない部分もあったのですが、仲間への思いやりや戦う姿勢を見せられたと思います」
──後半にペナルティなどで劣勢になる時間帯がありましたが、何があったのでしょうか。
「BL東京さんのプレッシャーがありました。彼らは本当に素晴らしいチームで何度もチャンスを作ってきたので、そこに対応する必要がありました。一時的に13人になっても勝ち切ることができたのは良いことだと思います」