ミラノ・コルティナ五輪は16日(現地)、フィギュアスケート・ペアのフリーが行われた。ショートプログラム(SP)5位の三浦…

ミラノ・コルティナ五輪は16日(現地)、フィギュアスケート・ペアのフリーが行われた。ショートプログラム(SP)5位の三浦璃来/木原龍一組(木下グループ)がフリーで世界歴代最高の158.13点を叩き出し、合計231.24点で金メダルを獲得。日本ペア史上初の五輪メダルが、いきなり金という歴史的快挙となった。

 

【画像】【フィギュア】りくりゅう逆転金 フリー158.13点で頂点へ

 

前日15日のSPでは、中盤のリフトでバランスを崩し73.11点。首位ドイツと6.90点差の5位に沈んだ。

演技後、木原は「昨日はショックすぎて、全然寝れなくて。8時間しっかり泣きながら寝てて、でも起きても泣いて。本当に昨日からずっと泣いてた」と心境を吐露。三浦も「こんなリュウジくんは初めて」と驚くほど、木原は一夜中涙を流し続けた。

それでも2人は下を向かなかった。ブルーノ・マルコットコーチとメーガン・デュハメルコーチからの励ましの言葉を受け、フリーへ向けて気持ちを立て直した。

運命のフリー。映画「グラディエーター」の重厚な旋律が流れる中、冒頭のトリプルツイストリフトから圧巻の高さと安定感を見せた。

続くトリプルトウループ+ダブルアクセル+ダブルアクセルの連続ジャンプを鮮やかに成功させ、一気に流れを引き寄せる。

中盤のグループ5アクセルラッソーリフトは完璧なレベル4。スロートリプルルッツ、トリプルサルコー、スロートリプルループも取りこぼさない。

バックワードアウトサイドデススパイラル、ペアコンビネーションスピンも最高評価。3種のリフトをすべて成功させ、最後のコレオシークエンスまで力強く滑り切った。

技術点82.73、演技構成点75.40。減点ゼロ。フリー158.13点は、ペア競技の歴史に刻まれる破格のスコア。

最後のポーズを取り終えた2人は、互いを見つめ合った。次の瞬間、三浦が木原のもとへ駆け寄り、顔に手を添える。木原は氷上にひざをつき、こみ上げる感情を抑えきれず涙を流した。三浦も目を潤ませ、言葉にならない思いをぶつけるように抱きしめた。

銀メダルはジョージアのメテルキナ/ベルラワ組(221.75点)、銅メダルはSP首位だったドイツのハーゼ/ボロディン組(219.09点)が手にした。

インタビューで木原は「本当にたくさんの言葉をかけられすぎて込み上げてたので、思い出せないですね」と振り返った。三浦は「璃来の夢の金メダルがかなったけど、気づいてないかもしれないけど、目の前の私の夢も今日かなって。もっともっと世界中のたくさんの夢を叶えた」と、感極まった様子で語った。

 

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2人がペアを結成したのは2019年。当時17歳の三浦が、ソチ・平昌と五輪2大会連続出場も引退を考えていた9歳年上の木原に声をかけたのが始まりだった。

北京五輪では7位入賞、団体銀メダル。2022-23シーズンには世界選手権、四大陸選手権、GPファイナル全制覇で年間グランドスラムを達成した。

木原の腰の故障で苦しんだ時期もあったが、2人で乗り越えた。今季も三浦が肩を脱臼するアクシデントに見舞われたが、「人生で一番肩が強い」と断言するまで回復。世界王者として臨んだミラノ五輪で、ついに最後のピースを手にした。