世界中が注目したイタリア・ダービーで起きた“事件”に対し、審判委員長が異例の声明を発表した。誤審を認めて謝罪する一方で…

世界中が注目したイタリア・ダービーで起きた“事件”に対し、審判委員長が異例の声明を発表した。誤審を認めて謝罪する一方で、選手側の「欺く行為」に対しても苦言を呈している。
日本時間2月15日のセリエA第25節、インテルとユヴェントスによる伝統の一戦「イタリア・ダービー」は、激しい打ち合いの末にインテルが3-2で勝利した。この試合結果を左右したとして物議を醸しているのが、前半終了間際の退場劇だ。
42分、DFアレッサンドロ・バストーニが自陣でのパスカットからドリブルで前進しようとしたが、その入れ替わり様にユヴェントスのDFピエール・カルルと接触して転倒する。フェデリコ・ラ・ペンナ主審は即座にホイッスルを吹き、カルルに対してこの日2枚目となるイエローカードを提示。退場処分を下した。
しかし、リプレイ映像で確認すると、カルルの左手がバストーニの右腕に接触しているのは事実だが、その強度は極めて軽微。バストーニが接触を利用して、大げさに倒れ込む「シミュレーション」したようにも見えた。
現行ルールでは、一発退場(レッドカード)はVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入対象だが、「2枚目のイエローカード」は対象外となっている。そのため、明らかに疑わしい判定であっても、VARルームからは主審に助言ができず、判定が覆ることはなかった。
この判定に、試合中はもちろん試合後もイタリア中が騒然となる。複数のイタリア・メディアによれば、ユヴェントスのルチャーノ・スパレッティ監督は激昂してラ・ペンナ主審に詰め寄り、放送禁止用語を浴びせたという。さらにフロント陣も黙っておらず、ダミアン・コモリGMが「こんな不正は許されない。本当に恥ずべきことだ」と吐き捨てれば、幹部のジョルジョ・キエッリーニも「これはサッカーではない。許されない行為だ」と、メディアの前で公然と判定を批判した。
審判委員長は謝罪と苦言

これを受けて現地時間2月15日、『ANSA通信』がイタリア・サッカー連盟のジャンルカ・ロッキ審判委員長のコメントを報道。審判側のトップが公式に誤審を認める事態となった。
ロッキ委員長は「我々は、ラ・ペンナの明らかに間違った判定を非常に申し訳なく思っている。判定を修正するためにVARを使うことができなかった。ラ・ペンナ自身も悔しい思いをしており、我々も彼に同情している」と謝罪した。
一方でロッキ委員長は、審判のミスを認めつつも、選手たちのフェアプレー精神の欠如が、こうした混乱を招いていると批判したのだ。
「しかし、正直に言って、ミスを犯したのは彼(主審)だけではない。(バストーニのプレーは)明らかにシミュレーションだった。選手たちはあらゆる手段を使って我々(審判)を騙そうとしてきた。今回のミスは、その長い一連の出来事の最新のものだ。我々は謝罪するが、選手たちは謝罪をしない」
なお、今回の事案には「イエローカードはVAR対象外」というルールの欠陥も絡んでいるため、イタリア・サッカー連盟と審判委員会は、UEFA(欧州サッカー連盟)に対してVARプロトコルの見直しを要請するとも現地メディアで報じられている。今回の誤審は、ルール改正議論をさらに加熱させそうだ。
(ABEMA de DAZN/セリエA)