NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26ディビジョン1 第8節(交流戦…

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第8節(交流戦)
2026年2月14日(土)14:35 KUROKIRI STADIUM (宮崎県)
浦安D-Rocks 19-41 東京サントリーサンゴリアス

宮崎が生んだ“TK”。地元で、古巣に挑んだ凱旋の舞台


東京サントリーサンゴリアスの竹内柊平選手。地元である宮崎で、前所属チームの浦安D-Rocksと対戦、特別な試合となった

それはもう、竹内柊平のために用意された舞台だった。

高校を卒業以来、プロになってからは初めてとなる宮崎県のゲームというだけでもモチベーションは高まるのに、そこにもう一つの大きな要素が乗っかる。相手は「ゼロから自分を作ってくれた」浦安D-Rock(以下、浦安DR)。地元で古巣と対戦する。そう決まったとき、竹内は思わず、「マジか」とつぶやき、鳥肌が立った。

試合前日には母校・宮崎工業高等学校の体育館でキャプテンズランを行い、思いを馳せた。「大学時代に教育実習では行っていたんですけど、特別な時間でしたね。だって、高校生のときはプロになるなんて思っていなかったですから。いまのキャリアを想像もしていなかった場所にこういう形で戻るということはとても特別でした」。

試合は浦安DRに攻め込まれる時間が長かったが、粘り強い守備と効率の良い攻撃で得点を重ね、竹内の所属する東京サントリーサンゴリアスが勝利。弟のようにかわいがっていた鍋島秀源や藤村琉士とのマッチアップでは、高ぶる感情を抑え込み、「鍋島と藤村ではなく、浦安DRの1番と2番と意識して挑みました」とプロフェッショナルを貫いた。そして後半16分、グラウンドを退くタイミングが訪れると、竹内はメインスタンドに向かって、二度、深々とお辞儀する。割れんばかりの大きな拍手が返ってきた。

「あらためて、自分のキャリアは、自分一人で成り立ったものではなく、たくさんの人の応援や支えがあって、成り立っていると思います。家族もそうですけど、ファンの方々、宮崎の方々のサポートがあって、いまがあると思っているので、その方々に一番できる恩返しは、プレーで魅せて、結果を出すこと。それで県民や市民に勇気を与えることだと思っているので、それが形に見えた瞬間ではないですけど、本当にうれしかったです」

ディビジョン1初開催となったKUROKIRI STADIUMでは、ラグビー少年たちが「TKだ、TKだ」とうれしそうに叫んでいた。さらに試合運営に協力した大学生たちが試合後に2ショットをお願いし、竹内に快く応じてもらうと、「やばいです。宮崎のラグビーのスターですから」と興奮をしていた。

そんな彼らの姿を知ってか知らずか、竹内はあらためて、自分の存在意義を確認した。

「自分に与えられた使命は自分だけのものではないと思っています。いま、宮崎のラグビー人口は減少傾向にありますけど、自分の戦う姿勢や気持ちのところでラグビーの魅力を伝えていきたいですし、子供たちとも何か一緒にできればと思っています。自分がファイトすることもそうですけど、宮崎県、宮崎市とともに強くなって、ラグビー人口を増やしていければと思うので、これからも突っ走り続けます」

地元・宮崎でエネルギーを蓄えた竹内は、まだまだ止まらない。行けるところまで駆け抜ける。

(須賀大輔)

浦安D-Rocks


浦安D-Rocksのグラハム・ラウンツリー ヘッドコーチ(右)、藤村琉士キャプテン

浦安D-Rocks
グラハム・ラウンツリー ヘッドコーチ

「結果に対してはがっかりしていますし、ロッカールームで選手の顔を見ても落ち込んでいる顔が多かったです。サンゴリアスさんはアタック力のあるチームで、それが垣間見えた試合でした。その中、自分たちもチャンスを作ることはできていましたが、文字どおり、チャンスが手から滑り落ちていく内容でした」

──シーズン序盤戦に比べて、アタックでミスが出てしまったり、ディフェンスで粘り強さが欠けてしまったりするシーンが増えてきているように感じます。

「ここ4試合はかなりいいチームを相手に試合をしてきたので、相手の質が高ければ、それにともない重圧も高くなってくるので、その中でどうやってミスをしないかが大切になってきます。今日においては特にアタックとディフェンスの攻守の切り替えのところが、サンゴリアスさんはすごくうまく、そこでプレッシャーを掛けられたところもありました。ここ4試合を振り返ってもエラーの種類や原因は違うものなので、普段の練習からスピードのある中でどうやってスキルを使えるか、速いスピードでラグビーをすることによってもっとプレッシャーの掛かる状態を作り、その中でスキルを遂行していくところを改善していきたいです。魔法のような改善策はないので、細かいところからやっていきたいと思います」

浦安D-Rocks
藤村琉士キャプテン

「特に後半の入りは、自分たちも敵陣に入れていましたが、流れがこちらに来ているときにミスが出てスコアを取り切れませんでした。反対にそこでサンゴリアスさんのアタックの良さが出て、トライまで行かれたというような試合でした。いいシーンもありましたけど、相手がすごくうまかったと思います」

──シーズン序盤戦に比べて、アタックでミスが出てしまったり、ディフェンスで粘り強さが欠けてしまったりするシーンが増えてきているように感じます。

「ゲームプランはすごくいいと思っています。ただ、プレッシャーが掛かった中での遂行力、それにディフェンスでもアグレッシブに行くことはいいんですけど、コネクションがなかったり、チームとしての規律の部分だったりがなくなる瞬間があるので、そこをどれだけ改善できるかですね」

東京サントリーサンゴリアス


東京サントリーサンゴリアスの小野晃征ヘッドコーチ(左)、サム・ケイン キャプテン

東京サントリーサンゴリアス
小野晃征ヘッドコーチ

「両チームのファンのみなさん、関係者のみなさん、寒い中、応援ありがとうございました。前節が中止となり、13日間の準備期間になったんですが、選手たちは『自分たちのラグビーを見せたい』という気持ちでこの試合に向けて準備してきました。そうやって浦安D-Rocks(以下、浦安DR)さんの脅威となる選手を止めながら、自分たちのアグレッシブなラグビーを見せられたと思いますし、それができたことによってこういう結果になったと思います。これをしっかりと磨いて、次の試合へ準備していきたいと思います」

──前節が中止になってしまいましたが、その影響や準備で工夫したことはありましたか。

「ラグビーの選手やスタッフは、毎週、結果を出すために準備をしますし、その結果によって次の修正点や緊張感を作りあげると思いますけど、それがなかったぶん、選手たちもイレギュラーな雰囲気でした。でも、(試合が中止となった翌日の)月曜日に集まったときに、『自分たちのラグビーをするために最初の10分を意識すること』をこの1週間準備したので、全体のところではなく、この浦安DR戦の最初の10分間にどうやって戦うのか、意識して準備しました」

東京サントリーサンゴリアス
サム・ケイン キャプテン

「2週間試合のない期間がありましたが、また試合ができるというワクワクする気持ちがあり、宮崎で浦安DRと試合ができることを楽しみにしていました。ディフェンスとアタックの両方に誇りをもてるパフォーマンスだったと思います。しっかりと練習をしたことがパフォーマンスにつながりましたし、それがすごく良かったと思います」

──前節が中止になってしまいましたが、その影響や準備で工夫したことはありましたか。

「選手としてできることは、次のチャレンジに向かっていくことだと思いますし、先週の日曜日に試合がなかったのは残念でしたけど、次の月曜日に集まって、新しいチャレンジに取り組んでいくことをポジティブに捉えて、また1週間追加されたことをプラスに考えて、自分たちのマインドセットやアクションをコントロールすることにフォーカスしました」