<ミラノ・コルティナオリンピック(五輪):スピードスケート>◇15日◇女子500メートル決勝◇ミラノ・スピードスケート競…
<ミラノ・コルティナオリンピック(五輪):スピードスケート>◇15日◇女子500メートル決勝◇ミラノ・スピードスケート競技場
22年北京五輪銀メダルの高木美帆(31=TOKIOインカラミ)が銅メダルを獲得した。
本職でない短距離で37秒27をマークして、2大会連続メダル。今大会は1000メートルに続いて2個目の銅で、五輪で夏冬通じて日本女子最多のメダルを9個(金2、銀4、銅3)に伸ばした。
17日(同18日)の団体追い抜きで、大台を目指す。フェムケ・コク(オランダ)が36秒49の五輪新記録で金。第10日を終えて日本選手団のメダルは17個で、最多18個の前回大会にあと1に迫った。
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珍しく感情が出た。冷静沈着な高木が、両拳を握った。2位で迎えた最終15組。「祈る気持ちはあった」と自転車をこぎながら、結果を待った。コクに抜かれたものの、3位を死守。ガッツポーズを繰り出し、跳びはねた。駆け出した。表彰式が行われる、リンク内の中地を目指した。15年から指導を受けるデビット・コーチにピョンと、コアラのように抱きついた。4年前より順位を1つ下げたが「前回よりうれしさは強い」。いつも見せない姿が、メダルの価値を表していた。
“調整段階”ながら、表彰台にのぼった。当初は補欠登録で、直前まで出場を保留。今大会は「1500メートル金」を目標に掲げる中、20日(同21日)のレースまで時間が空く。女子団体追い抜きはあるものの「パシュートだけで1500メートルに行くのはリスクが高い。個人種目を挟むことで、目標の1500メートルへ大きな意味がある」と直前で短距離への出場を決意した。
4組目のアウトスタートから、100メートルを全体4位10秒40で通過。ぐんぐん加速し、暫定首位に立った。W杯日本勢最多38勝のエースも、500メートルでは未勝利。今季は国内でも優勝なし。それでも11組待った末に、吉報が舞い込んだ。メダルは決して譲らなかった。
日本勢14人の最年長。前回から小平奈緒さん、姉の菜那さんらが引退し、立場も変わった。「初めての選手が多い。経験者として何ができるか考えないと」と自覚。本命種目で13位に沈んだ吉田に優しく寄り添った。「かけた言葉は『お疲れさま』だけ。表情を見て駆け寄らずにはいられなかった」と役目を果たした。
まだ、本命種目へのステップを踏んだにすぎない。6日前、1000メートルで曇っていた顔は晴れた。笑って、メダルをぎゅっと握りしめた。平昌3個、北京4個と、新たに2の勲章を追加した。17日(同18日)の団体追い抜き準決勝、決勝を経て、1500メートルに向かう心づもりだ。「全力でトライしに行ってよかったと思えるよう、残りの2種目3レースに挑みに行く」。大台の10メダルは、目の前に見えている。【飯岡大暉】
◆五輪日本女子の最多メダル 高木が夏冬通じて最多となっているメダル数を9個に伸ばした。2位は柔道谷亮子の5個。4個はレスリングで伊調馨、吉田沙保里がいる。世界の女子では、夏の体操でラリサ・ラチニナ(旧ソ連)の18個が最多。冬では距離で15個を獲得したビョルゲン(ノルウェー)がいる。スピードスケートではイレイン・ブスト(オランダ)の13個が最多。男子では、日本は体操の小野喬の13個、世界では競泳のマイケル・フェルプス(米国)の28個が最多。