NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26ディビジョン2 第6節2026…
NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第6節
2026年2月14日(土)12:00 東大阪市花園ラグビー場 (大阪府)
花園近鉄ライナーズ 50-38 九州電力キューデンヴォルテクス
山田章仁40歳、「伸びシロしかない」。聖地で実感した、楕円球を追い続ける青春の日々
九州電力キューデンヴォルテクスの山田章仁選手。「40代のみんなに勇気を与えられるようにと思って全力で行きました」
「髪の毛も染めて見た目としてもね(笑)」
今季初出場が40歳になって初めての公式戦となった山田章仁は試合後にそうおどけてみせた。ただ、フル出場で見せたプレーは風貌以上に年齢を感じさせないものだった。
高校ラグビーの聖地であり、青春という言葉が似合う“花園”で躍動する40歳。小倉高校時代、花園の舞台に立つことはできなかったが、「悔しい思いはない」と山田章仁は言う。
「花園ってすごく良いスタジアムだし、ちびっこだけではなくてラグビー選手誰もが頑張れる場所。40歳になりましたけどそんな場所でプレーできてうれしいです」
花園を目指す日々が終わってから22年あまりが経過したが、山田章仁は当時と変わらず走り続けている。その姿は青春をいまでも謳歌していると言ってもいい。
「試合に出る喜びや結果に対する感情の部分は現役選手としての醍醐味だと思います。周りが引退していく中で、まだまだ長くいろいろな感情が混ざる時間、日常を過ごしていきたいです。みんなにしっかりと山田が走れていると伝えることができました」
40歳を前にして山田章仁は「40代の先輩たちに勇気を与えたい」と話していた。だからこそ、今季初出場には「40代のみんなに勇気を与えられるようにと思って全力で行きました」と思いを込めた。「40歳も悪くないでしょって感じてもらえていればいいですね」。そのメッセージはきっと40代に刺さったはずだ。
「本当に僕のラグビー人生は充実している。今年やって来年もやって、どこまでいけるかな(笑)。新しい自分に会えるのが楽しみ」
年齢を重ねれば未来は描きづらくなる。しかし、山田章仁は違う。成長した未来の自分を想像し、それを原動力へと変えていく。未来を想像すれば、言葉には自然と若々しさが宿る。
「伸びシロしかない!」
山田章仁は大きな声で取材対応を締めくくった。決して強がりでも見栄を張るわけでもない。本気でそう思っているのだ。憧れの舞台に立ち躍動する高校生のように。山田章仁はいまもまだ楕円球を追う青春真っただ中にいる。
(杉山文宣)
花園近鉄ライナーズ

花園近鉄ライナーズの太田春樹監督(左)、ピーター・ウマガ=ジェンセン共同キャプテン
花園近鉄ライナーズ
太田春樹監督
「お忙しい中、お集まりいただいて誠にありがとうございます。また本日はホストゲームということで九州電力キューデンヴォルテクス(以下、九州KV)さんには遠くまでお越しいただき、感謝申し上げます。
試合の総括としてはディフェンスに課題の残るシーンが多く、私自身、非常にフラストレーションが溜まる試合でした。われわれがやりたいディフェンスがまったくできていないので、次節に向けてディフェンスを中心にしっかりとチームを強化したいと思います」
──6連勝についての受け止めと、課題に挙げられた守備についてどのような改善を考えていますか。
「6連勝について私自身は正直、大きくは意識していません。われわれは毎試合、一戦必勝という言葉の下、チームを進めていますので6連勝、全勝といった結果においても毎試合にしっかり挑むことにフォーカスしています。もちろん、勝ちを積み重ねることでチームの雰囲気は良い方向に進んでいます。
ディフェンスの課題についてはコリジョンのところでソフトなトライを与えることが多かったですし、特に(自分たちの)ゴール前ですね。そこについては厳しく追及し、立て直していきたいと思います」
花園近鉄ライナーズ
ピーター・ウマガ=ジェンセン共同キャプテン
「監督が申し上げたように、前半はフラストレーションが溜まる展開になりました。レフリングに左右されてわれわれはフラストレーションを溜めていましたし、アタックでもディフェンスでも規律が守られていませんでした。後半に入ってからもディフェンスには課題はありましたが、アタックではやりたいこともできました。ただ、ディフェンスではイージーなトライを取られてしまっていたので、改善しなければいけないところが多くあると思っています。
一つのゲームを終えるとやはり課題は出てくるもので、今回(の課題)はディフェンスなのかなと思います。どの試合も完璧にいくものではないですが、チームとしては積み上げて成長していく。そういったことが実感できる試合でもありました」
──後半13分の逆転トライの場面について、直前で相手ペナルティが二度続きました。最初はタッチキックを選択しましたが二度目はスクラムを選択しました。スクラムを選択した意図を教えてください。
「その前にスクラムで良いヒットができていました。優勢に立っていたというのが分かっていたので、(野中)翔平とアキラ(・イオアネ)と話をしました。『どうなのか?いけるのか?』と聞いたら『自信はある』という答えだったのでスクラムを選択しました。過去の試合ではああいう場面のときはスクラムを選択していませんでしたが、スクラムの選択をして良い結果につながったのは良かったと思います」
九州電力キューデンヴォルテクス

九州電力キューデンヴォルテクスの今村友基ヘッドコーチ(左)、コルビー・ファインガア選手
九州電力キューデンヴォルテクス
今村友基ヘッドコーチ
「本日は素晴らしい環境を整えてくださった関係者の方々に御礼申し上げます。たくさんのファンの方々に集まっていただき、九州からチャージャー(九州KVのファンの呼称)のみなさんにも来ていただいて、本当に良い天候の中、お互いに素晴らしいラグビーができたことを誇りに思っています。
当然、大阪に勝利を取りに来ましたが、それがかなわずに残念な気持ちがあります。ただ、九州KVの選手たちがしっかりと意図をもったラグビーを展開してくれて、本当に今後につながる敗戦だったかなと思っています。まだまだこのチームは成長できると感じた試合でした。ポジティブに反省して次に向けてしっかりと準備していきたいと思います」
──今週はショートウィークで準備の質が問われる環境だったと思います。良いプレーもたくさんありましたが、どんなところに注力して準備してきたのでしょうか。
「(回復に充てるため)しっかりとした練習ができたのは1日しかなかったですが、チームとしてはどこでプレッシャーを掛けて、どのようにして花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)さんを倒すのかというところを週の頭に共有しました。それについては選手たちがしっかりと準備してくれましたし、本当に今日の朝まで、特にフォワード陣が準備している姿は見ていて素晴らしかったです。そういった準備をした結果、こういうゲームができたというのはポジティブな部分です。あとは勝ち切るために何が必要なのかというと、一つひとつのプレーの精度、そして、ペナルティのところだと思います。ただ、しっかりとポジティブに次に向かっていきたいと思います」
九州電力キューデンヴォルテクス
コルビー・ファインガア選手
「多くのポジティブな要素があった試合だったと思います。前節はいくつか残念な点がありましたが、この試合に向けて3つのエリアに分けて、それぞれにフォーカスしてきました。そこはうまく実行できたと思います。試合全体をとおして試合の流れというものがかなり行ったり来たりの状態になったところがありました。(失点は多くとも)ディフェンスとしては現状にすごく満足しています。花園Lさんはアタックに関してすごく(インパクトが)大きくて強いチームであることに疑いはありませんでしたが、そこにもディフェンスではしっかり対抗できたと思っています。
アタックに関しては攻撃を長く継続できればできるほど、試合の流れや勢いをしっかりと得ることができたと感じています。ボールを保持できたときにはスペースにボールを運ぶことができましたし、オフロードプレーができました。今まで積み上げてきたアタックの部分をしっかり出せました。
勝てなかったことはすごく残念に思います。私たちはこの試合に向けて前向きな姿勢で取り組んできましたし、勝つチャンスをモノにできなかったことは残念に思っています。ポジティブな部分もたくさん見ることができたと思いますし、成長を感じることもできました。シーズンが始まってから浮き沈みがありましたが、今日の試合に関してはすべてのエリアにおいて満足いくものが出せたと思います。次節に向けて前向きなステップが踏めた試合になったと思います」
──結果を振り返ったときに後半13分からの8分間での3連続被トライが響きました。あの時間帯について振り返っていただけますか。
「振り返ってみると、代表選手が多くいるようなチームは小さなところからでもトライまで決めてくる力がありますし、花園Lはそういったチームだったと思います。結果的には自陣から脱出するところを明確にできなかったし、そこでのコントロールがうまくいきませんでした。そういった状況下からの学びとしては、しっかりとそのエリアから脱出して敵陣に入るというところになります。自陣からうまく抜け出して敵陣に入ることができたときは今回も自信をもったプレーができていたと思います」