大相撲で最高位前頭9枚目の大翔鵬(31=追手風)が16日、東京・両国国技館で引退会見を行った。今月13日、日本相撲協会に…

大相撲で最高位前頭9枚目の大翔鵬(31=追手風)が16日、東京・両国国技館で引退会見を行った。今月13日、日本相撲協会に引退届を提出し、受理されていた。会見では終始、涙を見せることなく随所で笑顔。開口一番「なんか不思議ですね。もう、力士じゃないんだなと。(力士の)感覚がまだ抜け切れていなくて、不思議な感じですね」と、現役時代と変わらない195キロの大きな体で冷静に語った。

モンゴル出身で、9歳から両親、妹とともに日本に移住し、千葉・柏相撲少年団で相撲を始めた。同少年団では大関琴桜や前頭隆の勝、琴勝峰らとしのぎを削り、千葉・流山南高では前頭阿炎と同級生だった。阿炎に引退を報告したところ「『えっ!?』と驚いていました。あと『断髪式は呼んでね』とも」と、反応を明かした。同様に前頭大栄翔、翔猿、十両剣翔ら同部屋の関取衆に引退を報告した際も、一様に驚かれたという。

昨年1月の初場所で十両から幕下に転落し、今年1月の初場所では三段目まで転落し、3勝4敗と負け越していた。「(昨年11月の)九州場所前に、腰のけがが悪化してしまって。もともと、去年の1月場所で、腰を悪くして(十両から)落ちてしまったんですけど、その腰のけがが良くなれば、また関取に戻れると思っていたので、リハビリや治療を頑張っていたんですけど、11月場所前にもう1回、悪化させちゃって、それで『もう無理なんだ。治らないんだ』と思って、その時に(引退を)決めました」。師匠の追手風親方(元前頭大翔山)に伝え「もうちょっと、やってみたらどうだ」と引き止められたが決意は変わらなかった。師匠も「分かった」と答えたといい、初場所は最後の場所と決めて出場していた。

今後は内科医でもある、日本人の年上の夫人が社長を務める会社で、母国モンゴルなどの衣料品などを輸入、販売する仕事をしていくという。自身の国籍はモンゴルのまま変更する予定はないというが、いずれも男児の6歳、4歳、1歳という3人の子どもとともに日本に住み、永住権を申請中。「悔いはない。悔いが残っていたら、やめていない。右足の筋肉が落ちて力が入らず、左足の筋力の半分ぐらいしかない。得意の右四つになっても勝てない。続けていても、十両に戻れないと思って、それで悔いなくやめられる。今、やめたことを将来、後悔しない人生にしたい。『あの時、やめてなきゃよかったな』と思う人生にはしたくない。『あの時やめて、よかったね』と言える人生にしたい」。笑顔で相撲界に別れを告げた。