◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽スピードスケート(15日、ミラノ・スピードスケート競技場) 【ミラノ(イタリア)15日=富張…

◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽スピードスケート(15日、ミラノ・スピードスケート競技場)

 【ミラノ(イタリア)15日=富張萌黄】女子500メートルが行われ、22年北京五輪銀メダルの高木美帆(TOKIOインカラミ)が37秒27で銅メダルを獲得した。3大会連続メダルの1000メートルに続き、今大会2つ目の銅メダル。五輪通算メダル数は日本女子史上最多を更新する9個(金2、銀4、銅3)となり、2ケタの大台突破へ前進した。

 同じ銅メダルでも、9日の1000メートルとは全く表情が違った。「完敗」だった3位から6日。今大会2個目の銅メダルが決まると勢いよく飛び上がり、ヨハン・デビット・コーチに抱きついた。表彰式での表情も柔らかくなり、心から喜んでいた。「前回(北京)と違って表彰台を取りにいって挑んだ500メートル。ちょっと語弊を生むんですけど、今回はそんな簡単にうまくいくとは思っていなかった。その中でもメダルを取り切れたっていうことが素直にうれしい」と喜びを爆発させた。

 銀メダルだった北京大会と同じく「4組アウトコース」から勢いよく飛びだした。最初の100メートルを全体4番の10秒40で、入るとスピードを落とすことなく、ゴール時点でトップに立った。残すは11組。後半に行くほど強豪立ちが待ち構えるが、最終組を前に落とした順位は1つだけ。最後は世界記録保持者のフェムケ・コク(オランダ)が五輪新の36秒49で優勝したが、高木はメダルを確保した。ゴールしてから28分52秒。「祈る気持ちだった」と願いが通じた。

 既にスケート靴は脱いでいた。メダリストは国旗を背中にまといながらリンクを滑るのが通例だが、そうはいかず。中地から日の丸を担ぎ、時折立ち止まって礼をしながら、観客に手を振った。その際にオレンジの服を着る大勢のオランダファンから「ミホー!」の大合唱。異例の光景に「してくれるんだ」と驚いた。「素直にうれしい。上2人の選手をリスペクトする気持ちが同時にあった」と振り返る。17日の団体追い抜きでは準決勝でぶつかる強豪国なだけに、「負けないぞっていう気持ちもありながら」と金メダル獲得への思いは強い。

 元々、補欠登録だった同種目。決め手となったのは本命の1500メートルを見据えてのことだった。「自分の調子の上がり具合を考えたときに、パシュート(団体追い抜き)だけでは1500メートルに行くのはリスクが高いと思った。個人種目を挟むことは、目標としている1500メートルに向けて大きな意味になると思って取り組んだ」。今大会は銅メダルが2つ。ここから目標とするのは頂点だけだ。「全力でトライしに行って良かったと思えるように、残りの2種目3レースを挑みたい」とエースの覚悟を示した。