(15日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉スキー男子デュアルモーグル) 最後の最後、スピードを制御しきれなか…
(15日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉スキー男子デュアルモーグル)
最後の最後、スピードを制御しきれなかった。
2人が同時に滑る新種目の決勝。背中を追い続けてきたライバルで、五輪は今大会が最後と語っているミカエル・キングズベリー(カナダ)が相手だった。
デュアルモーグルについて、「スピードの次元が(モーグルより)一段階上がる」と堀島は言う。
この日は第1エアの後、限界まで上げたそのスピードにのみ込まれた。中間セクションで暴れた板を抑えきれない。第2エアは暴走気味に突入し、何も技をかけられず着地。完敗の銀メダルだった。
3日前のモーグルで2大会連続の銅メダルを獲得したが、満足はできなかった。競技終了直後から、視線はデュアルに向いた。「まだ金のチャンスはある。やり返したい」
昨年3月の世界選手権は、この種目の準決勝でスピードを出し過ぎたあまり第2エアの着地で転倒。左足の靱帯(じんたい)を痛めた。
リハビリを経て、練習が再開できたのは4カ月後の昨夏だった。
2年前から拠点とするノルウェーの室内練習場で軸を斜めに4回転する大技「コーク1440」の習得に励んだ。成功者は世界でもわずか。スピードに乗った第2エアで成功させるためだった。昨夏の練習では1日6本をノルマに、計100本飛んで感覚を体に染み込ませてきた。
まだスピードへの「恐怖心はある」。それでもこの日の決勝では、果敢に攻めた。
モーグルと出会った小学4年の頃、「オリンピックで金メダルを取る」と自分に誓った。親や先生や友だちにも宣言して回った。大けがや逆境を何度も乗り越えられたのは、「あの時の自分を裏切りたくない」からだ。
3度目の五輪、金メダルに手の届きそうなところまでは来た。堀島少年との約束は4年後へ続く。(山口裕起)