レスター・シティは11月18日、プレミアリーグで首位を快走するマンチェスター・シティと対戦。0-2というスコア以上…

 レスター・シティは11月18日、プレミアリーグで首位を快走するマンチェスター・シティと対戦。0-2というスコア以上の完敗を喫し、クロード・ピュエル新体制後の成績は1勝1分1敗となった。



岡崎慎司は4-3-3のインサイドMFとして後半から途中出場

 なにより驚いたのは、直近2試合で4-2-3-1を採用したピュエル監督が、この試合では新しい布陣にトライしたことである。前節ストーク・シティ戦で4-2-3-1のトップ下に入った岡崎慎司を先発から外し、代わりにマーク・オルブライトンを起用。ウィンガーを本職とするオルブライトンをインサイドMFに配した4-3-3で臨んだ。

 しかし、レスターの出来うんぬんよりも、マンチェスター・Cの出来のよさが際立つ一戦であった。テンポよくパスをつなぐマンチェスター・Cは、15分経過時で72%のポゼッションを記録。ケヴィン・デ・ブライネとダビド・シルバのインサイドMFを中心に攻撃を編成しながら、両翼のレロイ・サネとラヒーム・スターリングがサイドを上手に突いて、じわりじわりと押し込んだ。

 マンチェスター・Cは前半終了間際、ショートパスを巧みにつないで先制。さらに後半開始直後にも自陣でのピンチからロングカウンターに転じ、最後はデ・ブライネが豪快にミドルシュートを叩き込んだ。この時点で、防戦一方のレスターの敗戦は決まったようなものだった。

 ベンチスタートの岡崎に出番の声がかかったのは、残り時間7分となった83分。FWイスラム・スリマニとともにピッチに入ったが、FWの岡崎が任されたポジションは4-3-3のインサイドMFだった。こちらも予想外の起用法である。

 背番号20は相手のパス回しを懸命に追いかけ、チャンスになりそうと見るやゴール近くまで突っ走った。しかし、ボールにほとんど触ることなくタイムアップ――。3分のアディショナルタイムと合わせ、約10分間の出番で試合を終えた。

 試合後、取材エリアに姿を見せた岡崎は「マンチェスター・C、強かったですね」と素直に完敗を認めた。さらに、質疑応答は4-3-3の新布陣についても及んだ。岡崎によれば、11月中旬の国際マッチウィークを使い、チームは4-3-3の練習に取り組んでいたという。

「代表に行かなかった選手たちで、ずっと4-3-3のトレーニングを行なっていた。だから、(マンチェスター・C戦は)何となく4-3-3だろうなと。(練習では)僕が右サイドをやったり、中盤もやったりしていたので、このままいったら(先発は)つらいなぁって。そうしたら、オルブライトンを(インサイドMFとして先発で)使った。

 新布陣? 僕は『マンチェスター・C対策』と見ているんですが、(今後どうなるかは)ちょっとわからないです。でも、4-3-3でポゼッションするなら、もっと質の高い選手が必要。(ボールさばきや前線への出入りなど)うまい選手がいないと無理だと思います。ただ1月以降、プランとして4-3-3が増えそうな感じもします」

 一方で、ピュエル監督は岡崎のインサイドMF起用をどのように捉えているのか――。

 ピュエル監督は「シンジはチームのためにハードワークしてくれる。試合終盤に入り、組織をいい状態で保つことが重要だった」と同位置で起用した理由を説明しつつ、「シンジはストライカーであり、攻撃的な選手」と強調し、あくまでも例外的な措置であると語った。試合終了間際の短い時間であったことから、限定的にインサイドMFとして起用したという。

 ただし、起用位置がどこであろうと、岡崎と4-3-3の相性はあまりよくなさそうだ。

 4-3-3で岡崎が違和感なくプレーできるのは、センターフォワードと、日本代表でも経験のある前線右サイド。しかし、センターフォワードにはジェイミー・バーディーという不動のレギュラーが控えている。また右サイドに関しても、レスターではドリブルでボールを前方に運ぶ能力が求められるだけに難しさはある。岡崎も「基本的には右サイドもできなくはない。まあ、なんかもう……ここまできたら『なるようになれ』という感じですね(苦笑)。使われたら、そこでなんとか結果を出す、みたいな。スピード感もやりながら掴めていくとは思いますけど」と、苦笑いを浮かべていた。

 しかし、八方塞がりになったわけではない。「セカンドストライカーとして『コイツには何かある』と思わせないといけない」と語る岡崎の言葉こそが、今後の行方を占ううえで重要なカギを握ってくる。

「今、前線はバーディー、リヤド(・マフレズ)、(デマライ・)グレイに比重が置かれている。監督も彼らに重きを置いていて、『前線はこの3人で固定』と決めている部分がある。やっぱり、そこに入っていかないと。ここを壊すような自分にならないといけない。『ああ、コイツをこういうふうに使えば、もっと可能性が出るんだな』と思わせるようにならないと」

 実際、割って入る隙はある。

 振り返れば、昨シーズンまで指揮を執ったサウサンプトン時代も、ピュエル監督はシーズン序盤をチームの編成期間に充てていた。4-3-1-2や4-3-3、4-2-3-1、4-1-4-1と複数の布陣を採用しながら、最適解を探っていったのだ。そしてシーズン後半戦になると、4-2-3-1でほぼ布陣を固定。おそらくレスターでも同様の手順を踏みながら、選手の能力や適性、ポテンシャルを査定しているのだろう。

 ピュエル新監督がレスターを変革しようとしているのは間違いない。「ショートカウンター1本」だったチームに、ポゼッションのエッセンスを取り入れ、戦い方に幅を持たせようとしているのだ。その変革の荒波のなかで、プレッシングスタイルの要(かなめ)だった岡崎の立ち位置が揺らぎ始めたのは、ある意味、必然なのかもしれない。ここで、どう岡崎は踏ん張るか。

 次節は11月24日に行なわれるウェストハム・ユナイテッド戦。デイヴィッド・モイーズが新監督に就任したウェストハムは攻守ともにバラバラで、勝機はレスターにも十分にある。はたして、ピュエル監督はいかなる人選・布陣で挑むのか。引き続き注目していきたい。