クラッシュし、雪面に打ち付けられるボン(C)Getty Images 壮絶なクラッシュによるダメージは計り知れない。ミラ…

クラッシュし、雪面に打ち付けられるボン(C)Getty Images

 壮絶なクラッシュによるダメージは計り知れない。ミラノ・コルティナ冬季五輪のアルペンスキー女子滑降で転倒し、左足脛骨の複雑骨折で3度の手術を受けているリンゼイ・ボン(米国)だ。

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 大会の約1週間前のワールドカップで左膝前十字靱帯断裂などの重傷を負いながらも、強行出場を決めた41歳は、意を決して挑んだ予選で転倒。スタートからわずか13秒で踏ん張りがきかず、旗門に右腕を引っかけて投げ出され、身体を雪面に激しく打ち付けた。

 悲鳴を上げるほどの痛々しい状態となったボンは、即座にヘリコプターで救急搬送。緊急オペを含む4度の手術のかいもあって状態は安定しているものの、残り1回の外科手術を残すなど、完全回復には至っていない。

 無謀とも言える挑戦に挑んだベテランスキーヤーの現況について、フランスのラジオ局『RMC Sport』の取材に応じた整形外科医ベルトラン・ソネリ・コテ博士は、「ハイレベルなスキー競技に復帰できる段階ではない。あのような怪我の場合は切断する可能性もある」と断言した。つまりボンは日常生活にも支障をきたしかねない状況にあるというわけだ。

 長期的な治療に加え、完治までに時間を擁すのは言うまでもない。もしかすると、治らない可能性もある。それでもなお、ボンはふたたび雪面を滑降することへの野望を失っていない。

 現地時間2月14日に自身のインスタグラムを更新した彼女は、「精神的には、これまで以上に準備万端でした。でも、準備万端だったからといって、何かが保証されたわけではない。人生に保証なんてものはない。夢を追いかけるのは賭けのようなもの」と発信。左膝前十字靱帯断裂などの重傷を負っての出場にリスクがあったことを示唆した上で、「滑った甲斐があったと思っている。スキーへの愛は今も変わりません。再び山頂に立てる瞬間を、今も心待ちにしています」と競技への復帰を示唆した。

 無論、現時点でどうなるかは不透明だ。いずれにしろ怪我の完全回復が最優先となるのは間違いない。それでも現役復帰にこだわるボンの声明は、海外メディアにも衝撃とともに広まっている。

 英紙『Daily Express』は「足を切断する可能性が懸念されたにもかかわらず、ボンはスキー競技に復帰したいと強く願っている。これは驚くべき声明だ」と速報。同じく英紙『Daily Mail』も「この冬、ボンには、恐ろしく、そして悲劇的なアクシデントによって、自身の左足を失うかもしれないという不安が生じた。しかし、彼女はいつかまたスキーをすると断固たる決意を明らかにしている」と綴った。

 怪我をしてもなお、スキーへの情熱は消えない。その常人離れした胆力には脱帽である。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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