(14日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉スピードスケート・男子500メートル) 6位入賞に、新濱立也(高崎…

 (14日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉スピードスケート・男子500メートル)

 6位入賞に、新濱立也(高崎健康福祉大職)はあふれる感情を抑えられなかった。真っ赤な目で言った。

 「満足感の涙が今、ずっと出てくる」

 この4年間の苦難を思い出さずにはいられなかった。

 2022年北京五輪に、500メートルの優勝大本命として乗り込んだ。が、号砲直後につまずいた。あっけなく惨敗。悔し涙を流した。振り返れば、不運の連続はここからだった。

 24年春に負った腰の骨折で選手生命の危機に陥ると、劇的な復活を遂げた昨年4月、自転車練習中に交通事故に遭った。顔面骨折などの大けがで、「競技に戻ることすら、正直、厳しいかなという思いもあった」。

 それでも、五輪は諦めきれなかった。かつての輝きを取り戻そうとトレーニングに励み、凡走続きのシーズンを経て、ラストチャンスの国内選考会でミラノ行きの切符をつかみ取った。

 たどり着いた2度目の五輪。慎重になったスタートでわずかに出遅れたが、中盤以降は持ち前のダイナミックなスケートで滑り切る。フィニッシュ後は、満足そうに手をたたいた。「今のベスト、今季1番の滑りを、このレースで持ってこられた」

 メダルには届かなかった。けれど、「やり切った充実感は、タイム以上の価値があるものだなって」。困難に越えてきた日々が、心からそう思わせてくれた。(松本龍三郎)