(14日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉スピードスケート・男子500メートル) 本来の滑りにはほど遠かった…

 (14日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉スピードスケート・男子500メートル)

 本来の滑りにはほど遠かった。

 森重(もりしげ)航(オカモトグループ)は100メートルを全体11位の9秒65で通過した。好調時なら9秒5台前半は出せるはず。後半も平凡なタイムで10位。トップからは0秒85遅れた。

 五輪を控えた1月のワールドカップのレース中、第2カーブで転倒し、左ひざを負傷した。五輪本番に向けて回復を図ったが、影響は隠せなかった。

 「準備は100%してきたが、(けがで)歯車が少し崩れてしまった」

 ただ、あの転倒は、本気で頂点を狙った結果でもあった。

 この日、圧倒的な力を見せつけたジョーダン・ストルツ(米)とイエニング・デボー(オランダ)の2強を崩すには、「攻めるカーブワーク」が必須と痛感していた。

 北京大会で獲得した銅メダルではなく、あくまで金メダルをつかむため。五輪シーズンが深まってもなお、スピードを殺さないカーブを追求してきた。

 「もう一押しというか、詰めが甘かった」。リスクを覚悟した上での挑戦はしかし、実を結ばなかった。(松本龍三郎)