静粛のブルペンに乾いたミット音が響く。阪神下村海翔投手(23)が、藤川球児監督(45)ら首脳陣、ファン、報道陣の視線を独…

静粛のブルペンに乾いたミット音が響く。阪神下村海翔投手(23)が、藤川球児監督(45)ら首脳陣、ファン、報道陣の視線を独占した。14日、初めて宜野座でブルペン入り。変化球を交えて32球を投じ、指揮官とグータッチ。虎党からも大きな拍手が送られ、白い歯がキラリと光った。

23年ドラフト1位で入団しながら24年4月にトミー・ジョン手術。約2年間、リハビリを続けてきた右腕が宜野座に姿を見せた。今キャンプでは具志川でブルペン投球を行っていたが、宜野座では初めて。指揮官はその意図について「今日良ければブルペンでの投球制限が消えてくる日だったので。最後のリハビリ段階のところで、いいタイミングだなと思って来てもらいました」と説明した。

他のレーンでは誰も投球していないブルペン。躍動感あふれるフォームからカーブなど変化球を交え、低めに丁寧に投じた。他球団もドラ1右腕の投球に警戒を強めた。広島の土生スコアラーは「めちゃめちゃいいボール投げていたのでびっくりしました。脅威でしかないです。本当に素晴らしい」と驚きを隠せず。さらに「(広島)森下みたいなカーブ」と3度の2桁勝利を挙げ、侍ジャパン経験もある右腕に例えた。

復活への道のりはまた1歩前進した。藤川監督は「バランスよく投げていたと思います。これでブルペンでまた1つ段階を上げてマウンドにつながっていくような、3月に向けてやっていってもらえればなと思っていますね」と期待を込めた。その上で2月中の打者への投球については「ないと思いますね。全くそんな必要はないかな」と否定。虎党の拍手に包まれたブルペンで、すっきりとした笑みを浮かべた下村。着実に復活への歩みを進める。【村松万里子】