◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽スピードスケート(14日、ミラノ・スピードスケート競技場) 【ミラノ(イタリア)14日=富張…
◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽スピードスケート(14日、ミラノ・スピードスケート競技場)
【ミラノ(イタリア)14日=富張萌黄】男子500メートルが行われ、日本記録保持者の新濱立也(高崎健康福祉大職)は34秒46で6位入賞を果たした。目標としていたメダル獲得はならず、「順位としては奮わなかったのが正直ある」と悔しさをのぞかせた。だが、「今季一番のベストを持って来られた。そこに関しては満足」と充実した表情を見せた。
初出場だった前回の北京五輪。500メートル20位、1000メートル21位と悔しすぎる結果で帰国した。特に500メートルではスタートでつまずき、一瞬で積み重ねてきたものが崩れた。この日、スタートラインに立った際は、「どんなレースになるか楽しみだった」という。スタートダッシュはそこそこだったが、持ち前のダイナミックな滑りを使い、直線で加速。最後まで体を動かし続け、入賞を果たした。
昨年4月には沖縄・石垣島でのトレーニング中に交通事故に遭い、顔面骨折などの大けがを負った。それ以外にも24年3月にドイツで練習中に転倒。腰椎を骨折し、全治不明と診断された。昨年10月には内転筋を負傷。同12月の全日本選手権直前にはブレード(刃)も破損した。「4年間、精神的にも肉体的にも苦しかった。10か月前を考えると、戻ってくることすら厳しい思いもあった。スタートラインに無事に立てたこと、けがをすることなくゴールラインに立てた、やり切った充実感がタイム以上に自分にとっては価値のあるものだった」と4年ぶりに戻ってきた五輪で、感慨深い思いがあふれ、目には涙が浮かんだ。
苦しい時期を乗り越えた要因に支えてくれた周囲の人を挙げた。24年に結婚した妻・吉田夕梨花ら家族、関係者に感謝した。「色んな仲間がいたから、この4年間前向きにやってこれた。心折れることなくスタートラインに立つことができた」。吉田はこの日、夫の雄姿をスタンドで見守った。新濱も「妻にこの会場で自分の今の、全力の姿を見せることができて良かった。ここまで支えてくれてありがとう」と感謝の言葉を述べた。
自身はレース後、現役続行を表明。4年後の五輪出場を目指し、突き進んでいく。30年大会まで続けることは北京五輪の段階で決めていたといい、「何を成長させるべきか考えていきたい」と照準を合わせる。33歳で迎える五輪。出場だけでは終わらせないと3大会目で初のメダル獲得を目指していく。