<侍日記>侍ジャパンを取材する記者がWBC期間に密着して現場の温度感を伝える「侍日記」。14は宮崎強化合宿初日です。  …

<侍日記>

侍ジャパンを取材する記者がWBC期間に密着して現場の温度感を伝える「侍日記」。14は宮崎強化合宿初日です。

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落とし物を拾ってくれたのは宮城大弥投手(24)だった。メイン球場のサンマリンとサブグラウンドをつなぐ通路。取材に夢中になっていると背後からスパイクの足音が聞こえた。振り返ると宮城投手の右手に見覚えのある白いペンが。私の愛用するApple Pencilだった。

私が「あ、すみません」と取りにいくと、柔らかい表情でペコリとしながら何げなく渡してくれた。わずか一瞬の出来事だが、キャンプ初日のそわそわした空気の中で温かみを感じるワンシーンになった。

温かみで言えば、ぎゅうぎゅう詰めに集まったファンにサインの神対応を見せる選手たちの姿も。口火を切ったのはダルビッシュ投手。カメラに収めようとする報道陣と場をいさめる警備員の中で、ひときわ長身の右腕が淡々とサインに応じていた。源田選手も続き、最後はチームで最も遅くまで残っていた牧選手がわずか数分ながらもサインに応じて帰路についた。

侍ジャパンは野球人にとって究極の到達点とも言える。牧選手はこの日の取材で、幼少期に「松井秀喜ベースボールミュージアム」に訪れていたことを明かし、この場所での初対面に感激していた。同じように牧選手が限られた時間を使って書いた、そのサインをもらった野球少年たちに、日の丸を背負う未来が来ることを願う。【小早川宗一郎】