(13日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉スノーボード男子ハーフパイプ決勝) 我が道を行った。 五輪初出場の1…
(13日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉スノーボード男子ハーフパイプ決勝)
我が道を行った。
五輪初出場の19歳、スノーボード男子ハーフパイプの山田琉聖(チームJWSC)が独創的なトリックで銅メダルを手にした。
決勝1回目から個性があふれた。
通常とは逆の足を前に踏み切って前方に宙返りしたかと思えば、次は後方に宙返り。珍しい演技構成で92.00点をマークし、「本当に信じられない。ハイレベルな争いで表彰台に立ててうれしい」。緊張とは無縁だった。
回転数をどれだけ増やせるか。そんな時代にあって、山田の滑りは異彩を放っている。
「他の選手と同じような技をやっていても、面白くない」
両親の影響で5歳でスノーボードを始めた。小学生の頃、地元の札幌に国内最大級のハーフパイプ場ができたことで、競技にのめり込んだ。
ただ、中学生の頃に思った。
コーチの指導の下、みんなが同じような技の構成で滑っている現状に「もっと自由に滑ってもいいんじゃないか」。
左手首や肩を骨折し、競技が嫌いになりかけていた時期でもあった。
独創性を求めて滑り出す。
16歳からワールドカップ(W杯)で世界を転戦。表彰台に立つのはいつも、高回転のトリックを出す先輩やライバルたちだった。自身の技はなかなか評価されないことも。
それでも貫いた。
「自分が満足する滑りをすることが最優先」
信念は今季、ようやく実を結んだ。昨年12月に米コロラド州で行われたW杯で初優勝を手にし、「完成度が高まりつつある」と手応えを語った。
初の大舞台でも気負いはなかった。
11日の予選は1回目にいきなり90・25点の高得点をたたき出し、日本勢2番手となる3位で決勝に進んでいた。
「自分がやってきたことが五輪でしっかり評価してもらえた。スノボは自由なんだ、ということをみんなに知ってほしい」
予選、決勝ともに独創的なルーティンで会場を沸かせた。
「僕は僕らしく」
我が道を進んだ先に、メダルが待っていた。(山口裕起)