ホワイト氏から賛辞を贈られた平野(C)Getty Images 文字通り決死の出場だった。 現地時間2月13日、ミラノ・…

ホワイト氏から賛辞を贈られた平野(C)Getty Images
文字通り決死の出場だった。
現地時間2月13日、ミラノ・コルティナ冬季五輪スノーボード男子ハーフパイプ決勝が行なわれ、日本の平野歩夢は7位でフィニッシュ。惜しくも連覇、そして4大会連続でのメダル獲得とはいかなかった。
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金メダルを掴んだ戸塚優斗とは5.75ポイント差。決して僅差とは呼べない。それでも、歩夢のランは日本、そして世界の感動を呼んだ。それは他でもない彼がまさに満身創痍の状態で檜舞台に立ったからだった。
今大会も金メダル有力候補と目されていた歩夢だったが、五輪前最後の実戦となった1月のワールドカップ(スイス/ラークス)で悲劇に見舞われた。転倒した際にボードが折れるほど打ち付けられ、顔面と右骨盤など複数個所の骨折。車椅子と松葉杖での生活を余儀なくされていた。
本来なら欠場も止む無しという状況だった。それでも「悔いは残したくない」と歩夢は強行出場を決意。リスクを承知で五輪に挑んだ。
表彰台にも立てなかった。それでも挑んだ価値は特別だ。決勝後のインタビューで「色々な感情だったり、怪我したことをある程度、頭から消し去らないとここまでのトリックに取り組めないような、自分も今まで出したこと無いようなリスクをかけていかなきゃいけなかった」と語った歩夢は、次のように胸を張った。
「思い切って生きるか死ぬかの戦いみたいな気持ちは持って滑った。全てがチャレンジでしかないような決勝3本。納得できる結果には繋がらなかったけど、自分ができることは全て出し切れたのかなというのはあった。悔しいけど、これまでやってきたことは何一つ無駄ではないと思う」
思わず「本当に生きてて良かった」と本音も声に出る。それだけ壮絶な状況でも「怪我したら笑ってられないと思うので、無事終えられただけで喜びを感じるところはある」とにこやかに語る姿は、もはや常人離れしているアスリートのそれ。過去3度の金メダル獲得歴を誇るレジェンド、ショーン・ホワイト氏が、米ストリーミングサービス「Peacock」の中継で「見ている限りでは怪我による影響も全然感じなかった。いや、凄いよ。本当に感銘を受ける」と称えたのは、そうした“異才”ぶりを認めた証左と言えよう。
では、今後はどうするのか。27歳は、こう語っている。
「これまでにかけてきた4年という時間で、自分にとって地道でハードなトレーニングを積んで、精神とか気持ちも削ってここまで歩んできた。怪我をして、もう可能性が無いかもしれないというところもあったし、色々と条件はハードだったけど、今自分ができる全てをやって失敗したという感じなので。そこには悔いなく、またこっから前に進んでいこうと思っている」
前に進んでいこう――。そう明るく語る超人の今後はどうなろうと楽しみだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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