2度の転倒で、金メダルを逃したマリニン(C)Getty Images 絶対王者のまさかの転落に、ショックは世界規模で広ま…

2度の転倒で、金メダルを逃したマリニン(C)Getty Images

 絶対王者のまさかの転落に、ショックは世界規模で広まった。

 現地時間2月13日、ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)で首位に立っていたイリア・マリニン(米国)が大乱調。転倒を繰り返す低調なパフォーマンスに終始して8位で終わった。

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 一体何が起きているのか――。演技後、悲鳴も上がった場外が騒然となるほどの乱れっぷりだった。冒頭の4回転フリップを難なく決め、勢いに乗るかと思われたマリニンだったが、直後のジャンプが回転不足でシングルアクセルに終わると、状況が一変。おかしなほどに滑りが乱れ始めた。

 演技後半も転倒するなど、一度狂ってしまった歯車を戻しきれなかった21歳は、最後までキレを失った。フィニッシュ後には、あまり見かけない悲壮感に満ちた表情を見せた。この顔つきからしても、マリニンがいつもと違ったのは一目瞭然だった。

 競技後に米スポーツ専門局『NBC Sports』のフラッシュインタビューに応じたマリニンは、「たぶん、僕はうまくいくと自信過剰だったんだと思う。正直に言って、何が起こったのか処理できない。……失敗した。それが最初に頭に思い浮かんだ浮かんだ言葉だ」と落胆。覇気もなく、打ちのめされた様子だった。

 衝撃の転落は、世界中で「マリニンショック」としてクローズアップされた。

 フィギュア大国でもあるフランスの大手紙『Lequipe』は「想像を絶する出来事が起こった」と強調。「2023年の秋から無敗で、圧倒的優勝候補だったマリニンが、まさかの転倒を喫した。とくにプログラム後半は悪夢のような展開(4回転ルッツで回転不完全による転倒、ダブルサルコウなど)で、“4回転の神”は見る影もなく、表彰台にも上がれなかった」と皮肉交じりに伝えた。

 また、地元イタリアの日刊紙『La Stampa』も「男子フィギュアスケートシングルは、劇的な形で幕を閉じた」とし、「アメリカのスター選手であるマリニンは、ミスだらけのフリースケーティングの末に、驚くべきことに表彰台を逃した」と総括。スペイン紙『Marca』も「驚きと胸の張り裂ける思いだった」とカリスマの失態を伝え、辛辣な言葉とともに、事態の大きさを伝えている。

「まるで壮大なオペラのように、ミラノのスケートリンクはスカラ座のスポーツ版と化した。優勝候補だったはずの男は8位に終わったのだ。おそらくマリニンは今、深い悲しみに暮れているだろう。あの傲慢さ、あの冷静沈着な態度、そして変わらぬ型破りさ……バージニア出身の少年は、アイスリンクにおけるマグヌス・カールセンのような存在だった。しかし、これは大失態だ」

「金メダルは目前だった。しかし、最後の最後で結果は惨憺たるものに変わった。2度の転倒で全てが変わった。演技を終えた彼は両手で顔を覆った。しかし、プライドから涙は流さなかった。8位に沈んだ156.33点を見ても涙だけはこぼれなかった」

 まさに波乱に満ちたフリー。絶対王者ですら勝ち得なかった展開に、五輪という舞台の恐ろしさを見た。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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