スポーツ報知特別コラムニストで卓球女子3大会連続メダリストの石川佳純さん(32)が、初めて観戦する冬季五輪を語る「石川…

 スポーツ報知特別コラムニストで卓球女子3大会連続メダリストの石川佳純さん(32)が、初めて観戦する冬季五輪を語る「石川佳純Forza~頑張れニッポン~」。第2回はアイスホッケー女子日本代表「スマイルジャパン」の奮闘に見た競技の魅力やチームの結束、スピードスケート女子1000メートル銅メダルの高木美帆(31)=TOKIOインカラミ=の3大会連続表彰台に感じた思いをつづった。

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 初めて現地で観戦する冬季五輪。大会序盤で印象に残った競技の一つが、“氷上の格闘技”と呼ばれるアイスホッケーです。

 女子日本代表の試合はドイツ戦とスウェーデン戦を観戦しました。国内で練習を見た時、「バンッ!」と壁に衝突する音や迫力、スピード感に衝撃を受けましたが、生で見た試合はそれ以上でした。卓球は接触がないので、体格が大きい相手に圧は感じても、打球が体に当たるわけではありません。パワーを出させないように攻略しようと考えて戦うことができます。アイスホッケーは接触があるスポーツ。自分より大きい相手に勇敢にぶつかっていかなければいけない。その怖さとの戦いは、私にとって想像もできない世界です。

 また1、2分で選手が交代していく中での23人の総力戦。チームの年齢層も16歳から33歳まで幅広く、それをまとめる小池(詩織)選手は素晴らしいキャプテンだと感じました。私も21年東京五輪で女子のキャプテンを任せていただきました。代表で最年少の時間がすごく長かったので、一気に最年長になり、年上や同世代の選手がいない寂しさがありつつ、年下の選手とプレーする新鮮な楽しさも感じました。若い選手から新しい考えやプレーを知ることもできた時間。それは長く現役をやれたことで得られた貴重な経験でした。

 小池選手は私と同学年の32歳です。大会前にインタビューする機会があり、話題になるトピックを考えて自分から積極的にコミュニケーションを取って、若い選手が萎縮することなく伸び伸びできるように心掛けていると聞きました。今回のチームは11人が五輪初代表。世代交代もあった中で苦労されたと思いますが、練習を見ていてもチームの雰囲気がすごく和やか。見ていて優しく、背中についていきたくなるようなキャプテンだと感じました。

 エースの志賀(紅音)選手からも試合後、自分が点を取ってチームを勝ちに導くことができなかったという責任感、悔しさがすごく伝わってきました。結果は1次リーグ敗退でしたが、チームとして4年後、さらに強くなって帰ってきてくれると期待しています。

 スピードスケートでは高木美帆選手が女子1000メートルで3大会連続のメダルを獲得しました。私は3大会連続でメダル(銀)を獲得した最後の五輪の時、悔しさはすごくあるけど、よくここまで頑張れたなと思えました。でも高木選手は前回のチャンピオンという立場。どんな気持ちなんだろうとレース後に聞いた時、「自分に対して悔しさ、もっとできたという思いもあるけど、よくここまで頑張ってこられたなという思いもある」という言葉が返ってきました。同じなんだな、それは長くやってきたからこそ感じることなのかなと当時を思い出しました。

 ただ、高木選手は1500メートルが本命種目です。レース後のインタビューでも1500メートルに向けての闘志が伝わってきました。念願をかなえてほしいなという気持ちですし、その瞬間を楽しみにしています。(卓球女子団体12年ロンドン銀、16年リオ銅、21年東京五輪銀メダリスト)